「3強」の激しい競り合いか!? V2へ充実の青学大、王座奪還狙う駒大、3冠なるか國學院大/箱根駅伝
3強はいずれも強力
青学大は“3本柱”が強力だ。前回3区で59分47秒という驚異的な記録を叩き出している太田蒼生(4年)は、今季も特に競り合いの場面で力を発揮。2区区間賞の黒田朝日(3年)は淡々とハイペースでレースを進める力があり、今季復活を果たした鶴川正也(4年)が関東インカレ(2部)以降では日本人学生相手に負けなしと勢いがある。 加えて、過去2回5区を経験し、前回区間2位ながら従来の区間記録を上回っている若林宏樹(4年)も健在。今季は10000mで27分台と平地での速さも身につけた。荒巻朋熙(3年)を含め、前回の往路経験者4人が残る。 さらに復路も前回6区区間2位の野村昭夢(4年)、8区区間賞の塩出翔太(3年)、10区区間2位の宇田川瞬矢(同)らタレントが抱負。配置の大まかな設計は決まっていそうで、後は調子の良し悪しでの入れ替えか。順当なら往路から抜け出してもおかしくはない。直近10年で優勝7回と、箱根路は得意の舞台でもある。 王座奪還を目指す駒大は篠原倖太朗(4年)が大黒柱だ。前回は1区で区間賞だったが、前々回は3区で区間2位。今季はトラックも高い水準で安定しており、エース区間の2区か3区での起用が見込まれる。 そこに3年生が大きく成長。山川拓馬は前半戦はケガに苦しんだが、全日本ではアンカーの8区で日本人歴代2位の記録をマークし、國學院大を猛追するなど見せ場を作った。伊藤蒼唯は夏合宿で篠原と練習をともにし、準エース格として力走している。 さらに春先から故障などでレースを回避してきた佐藤圭汰(3年)の動向も肝。不透明な部分はあるが、出走となればどの区間でもライバル校にとっては脅威になる。ルーキーも勢いがあり、今季は5000mで自己ベストの更新を続けた桑田駿介や上尾ハーフで1時間2分05秒と好走した谷中晴らがどこまで絡んでくるか。 3校の中で最も勢いに乗っているのが、國學院大だ。出雲は大黒柱の平林清澄(4年)が、駒大・篠原とのアンカー決戦を制した。全日本は後半区間にかけて追い上げ、上原琉翔(3年)が青学大との最終区決戦に勝利し、初の頂点に立っている。 マラソンの学生記録保持者の平林にとって、距離が延びる箱根のほうがより主戦場に近づく。全日本6区区間新で大会MVPに輝いた山本歩夢(4年)や、学生ハーフを制している青木瑠郁(3年)、長い距離に適正がある高山豪起(同)、出雲、全日本で区間賞の野中恒亨(2年)ら戦力は充実している。 これまで課題としている1区の出遅れと、山区間の攻略がカギ。復路には前回経験者だけでも3人が残っており、いずれも区間10位以内と計算ができる。前田康弘監督も復路での逆転プランを公言するなど、自信を示している。 ただ、3強の力は拮抗している。直近10年で復路での逆転優勝はわずか3回のみ。往路終了時のタイム差にもよるだろうが、往路をトップで駆け抜けたチームの優位性は揺るがないだろう。