日本最速争いは混沌からサニブラウン”1強時代”へ突入するのか!?
次に2位の選手とのタイム差だ。今回の0秒14は過去5年間のなかで最大差。サニブラウンが10秒05で優勝した2年前は、2位が多田修平で10秒16、3位がケンブリッジ飛鳥で10秒18。桐生は4位で10秒26だった。そのときよりもタイムが上がっただけでなく、2位以下との差も広がっており、サニブラウン”1強”の印象が強まった。 しかも、レース内容は不満が残った。中盤から後半の加速は十分だったが、「スタート練習を多めにやったんですけど、全然出られなかった」とスタートで失敗した。リアクションタイムは0秒153。最も良かった桐生は0秒129で、サニブラウンは8人中7番目の反応だった。後半も「ちょっと顎が上がり、腕振りも前にいってしまい、全米学生選手権と同じようなことをしてしまった」と反省点を口にしている。 一方、2位に入った桐生は、準決勝から立て直してきた。「日本選手権はタイムよりも上位に食い込むことを課題にしてきたので、優勝できなかったですけど、落ち着いて自分の走りはできたかなと思います」と評価した。しかし、サニブラウンとの差については、「日本のなかで世界に一番近い人で、後半の爆発力は今の日本人で一番。その差はまだあるかなと思いましたね。後半を何とかしないと世界では戦えない。サニブラウン選手に負けないような後半の伸びを身に着けたいと思います」と話している。 準決勝で10秒09をマークして、決勝の走りが注目されていた小池は、「スタートのところで浮いてしまい、そこの踏み外しが全体に影響したのかなと思います。地面からの反力をキャッチできず、脚をまわすだけの走りになってしまった。感覚的な部分で、昨日より良くありませんでした」と自身の走りを分析。桐生とは異なり、失敗レースになった。 サニブラウンは200mにも出場予定で、「100mで優勝したからといって気を抜かずに、しっかり集中していきたい。19秒台ですか? 身体と相談しながら自分の走りをしていければなと思っています」と今日(予選)と明日(決勝)のレースに意識を向けていた。