東京ヤクルトスワローズ ベースボールアカデミー 開校までの道のりと築く地域の野球活性化「大人になっても野球と長く触れ合える原点に」
「一人ひとりの成長を見ることができる仕事」
この4月で開校から2年が経過した。年中から入った生徒は小学生となり、1年生で入学した生徒は軟式球の使用を開始する年代に上がった。塙さんは2年間を振り返った。 「学年が上がってきて、生徒そして我々も積み上げができてきました。ここまで学んでもらいたいと考えていた部分を吸収してくれて、すんなり次の年次のカリキュラムにも順応してくれました。これからどう育っていくのかが本当に楽しみです」 スタッフがグラウンドでコミュニケーションを図ってきた中で、保護者たちからも感謝の言葉も寄せられている。続けてこう明かした。 「入学時に年中だった子どもさんたちが、最初は賑やかったのですが、入学してから参加し続けることでコーチの話を聞いてくれるようになりました。 3年目に入って小学生になったのですが、コーチの話を聞けるようになったことを保護者の方がすごく喜んでくれました。我々も本当に嬉しかったですね」
また、住田コーチもやりがいについてこう話した。 「最初小さかった子が大きくなってできることが増えていくので、成長の過程を見れるのは一番嬉しいですよね。年中の子がまだ野球というのを知らずに入学して、そこからいろいろ理解して楽しくやってくれて、試合を観たりチームに入って続けている。一人ひとりの成長を見ることができる素敵な仕事だなと感じています」 3年目を迎え、今も日々子どもたちと向き合い野球の楽しさを伝えている。最後に塙さんにアカデミーの目指す未来像を話していただき、インタビューを締めた。 「我々は野球人口を増やしたいという想いが根本にあります。アカデミーをきっかけに野球を生涯スポーツにしてもらえたら嬉しいですね。プレーするのもいいですし、観戦でもいい。大人になっても野球と長く触れ合える原点になれるよう我々も努力していきます。 また、”東京”とチーム名に冠していますので、地域密着もアカデミーを通じてさらに図っていきたいです。地域に根を張りながら、行政・企業さんとも連携をより深めて発展させていきたいです」 時間と苦労をかけて立ち上がったスワローズベースボールアカデミー。 その歴史をさらに創り上げることで、東京の野球を活性化させていく。
取材 / 文:白石怜平
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