「えっ、4つのリングのマークじゃない!?」 アウディが新ブランドを立ち上げ なぜ“4リングス”を使わない? 世界最大市場での戦略とは
この点について、デルナー氏は「(既存のアウディブランドとの)つながりと差別化の両方を示している」と説明します。 つまり、AUDIというブランドは、アウディからの差別化が重要であると同時に、アウディとのつながりも重視されていたことがうかがえます。 一見すると中途半端にも思えるこのような方針がとられた背景には、アウディがこれまで中国市場で築き上げてきた歴史が深く関係しているようです。 現地の関係者は次のように話します。 「いまでこそ世界最大の新車販売市場となった中国ですが、1980年代にはほとんど注目されていませんでした。 そのなかで、アウディは1988年にプレミアムブランドとして初めて中国市場に進出しています。 その結果、アウディは中国市場で強い存在感を放つようになり、販売台数においてもメルセデス・ベンツやBMWと同等以上のレベルにあります。 さらに、アウディは50年以上にわたって『Vorsprung durch Technik(技術による先進)』をブランド・スローガンに掲げており、ほかのブランドよりも先進的、未来的なイメージがあります。 たしかに、新興EVメーカーの台頭はアウディにとっても脅威ですが、アウディには『一日の長』があります。 そうしたアウディならではの強みを考えると、新ブランドであっても既存のブランドとのつながりを持たせるメリットは大きいと言えます」 ※ ※ ※ 新ブランドであるAUDIは、広州モーターショー2024でブランド初のモデルとして「AUDI Eコンセプト」を世界初公開しています。 未来的な内外装と数々の先進的な装備を持つこのコンセプトモデルは、AUDIがターゲットとするユーザーのニーズを最大限満たしうるものとなっています。 その一方で、アウディ独自の4輪駆動システムである「quattro」が採用されているなど、既存のブランドとのつながりを見ることもできます。 なお、AUDIおよびAUDI Eコンセプトは中国専用のブランド/モデルとされており、現時点では日本を含むそのほかの国や地域での展開は発表されていません。
Peacock Blue K.K.