「ユウキは大きく成長した」マルコ博士が角田裕毅残留の決め手を説明「他からのオファーが相次いでいた」引き抜き防御の姿勢|F1
レッドブルの重鎮ヘルムート・マルコ博士が、角田裕毅について言及。カナダGP開催中に来季の契約延長が公表された一件について、見解を示している。 【動画】「HONDAのエンジンで乗りたい」角田裕毅が来季VCARB契約延長の理由を説明 ビザ・キャッシュアップRBは6月8日、角田裕毅との契約延長オプションを行使し、2025年も日本人ドライバーは残留すると明らかに。カナダGP予選直前に公となったこの正式発表により、F1で4年目を迎えている角田は、同チームでの5年目を迎えることが確定した。 その数日前には、セルジオ・ペレスが2026年までレッドブルとの契約延長を公表したばかり。角田にとってはレッドブル昇格が2026年前まで事実上消滅した形にはなったものの、結果的にレッドブルグループであるVCARBに2025年まで残留することとなった。
レッドブルのアドバイザーであるマルコ博士は、ダニエル・リカルドがレッドブルに昇格する可能性があったかどうか聞かれ「ダニエルはVCARB内でユウキに勝たなければならなかった」とカナダ紙『Le Journal de Montreal』に対して語っている。 「本当ならダニエルはユウキに対して明確なアドバンテージを示す必要があった。だが状況は全く異なる。むしろ、その逆の状況が起こっている」 マルコ博士は「ユウキはF1で戦っているうちに変わったね。彼は本当に大きく成長したと思う」と述べ、日本人ドライバーの躍進ぶりを喜んだ。 「以前に比べてトラック内外で前進したことがわかる。メンタル面でも成長著しいし、ミスがあってもそれを最小限に抑えることができている」
レッドブルグループは角田との契約について延長オプションを行使し、来季もVCARB残留となった。マルコ博士は「実際に複数のオファーがあった」と、日本人ドライバーに対して、ライバルチームから引く手あまただったと明かした。 「彼には他のチームからオファーが相次いでいたんだ。ユウキはまだ若いし、我々のチームにピッタリの存在だ。だから彼との契約を延長したんだ」 2021年、アルファタウリでF1デビューを果たしてから、同チームで戦っている角田裕毅。今季はカナダGP予選直前に来季の契約延長が発表となり、F1における5シーズン目突入が確定した。 角田本人も『DAZN』に対し「たくさんのチームからオファーもいただきました。それを逆に(交渉材料として)使って、今回さらに自分のチームでの、レッドブルさんとの契約も有効に進めることができた。有意義な契約までの過程ができたし、新たにまた違うF1ドライバーとして契約できたのかなというのはちょっと実感しています」と述べていた。 マルコ博士は角田の速さ、成長ぶりを高く評価。他チームからの引き抜き防御の狙いもあり、レッドブル及びVCARB側は角田残留に向けて早めの一手を打った模様だ。