休んでも疲れがとれないのはなぜ?「究極の休息方法」を専門家が解説
休んだのに、しかも、しっかり休んだはずなのに……全然休んだ感じがしないってこと、あなたにはない? 【写真】その疲労が“単なる疲労”じゃない5つのサイン 理論的に「休息」は簡単なように聞こえるかもしれないけれど、”本当の意味”での「深い休息」は、実は最も難しい習慣のひとつなのかもしれない。特にこの忙しい現代社会を生きる中では。仕事の休憩中に、ほっと一息つこうと思えば、スマホを片手にSNSをスクロースすることは珍しいことでもないし、ソファーに座った途端に、床の汚れが気になったり。そこで登場するのが『ノン・スリープ・ディープ・レスト』だ。休んでいるのに、疲れているあなたは試してみる価値あるかも!?
究極の休息法「ノン・スリープ・ディープ・レスト」とは?
『ノン・スリープ・ディープ・レスト』(以下、NSDR)とは、横になって呼吸を整え、"深い休息 "の状態に入る練習法。(そう、もはや休むことも、練習が必要なのだ) これは、眠りに落ちる直前に経験するような、ぼんやりとした半集中状態のこと。つまり、目覚めてはいないけれど、まだ居眠りもしていない状態で、まどろんでいる時のことを指す。 勘の鋭いヨギーなら、もうお気づきかもしれないけれど、このNSDRの元となっているのはヨガの練習で行われる「ヨガニードラ(ヨガの眠り)」と呼ばれるリラクゼーション法。NSDRは、ヨガニードラの練習に加えて、自己誘導催眠などの分析方法を包括する造語として、神経科学者でスタンフォード大学医学部教授のアンドリュー・D・ヒューバーマン博士によって2022年に作られた。アンドリュー博士は、ポッドキャストのエピソードで、「ヨガ・コミュニティーに関連したもの、あるいはニューエイジ的なテクニックに特化したものと受け止める人がいるかもしれない」ため、用語を変えたかったのだと説明。また、「複雑な言葉は取り組む意欲を失わせる可能性がある」と加えている。 集中力を必要とする瞑想とは異なり、NSDRのゴールは、努力しなくてもリラックスした状態になること。つまり、ただただ休めばいいのだ。 アンドリュー博士によると、NSDRは睡眠不足からの回復にも役立つので、疲労を感じている日や、十分な睡眠をとれなかったり、あまりよく眠れなかったために集中できない日には、非常に有益だとのこと。加えて、睡眠の質の改善にも役立つ可能性があるとのことで、入眠をスムーズにしたい人や、夜中に目覚める回数を減らしたいという人は、試してみると良いことあるかも。 1日10分から30分、NSDR状態に入ることで脳を休ませリセットし、エネルギッシュな1日を過ごせるようになると言う。30分は難しくても、10分ならSNSを見る時間を置き換えるだけで、できそうじゃない? ちなみに、シリコンバレーではすでにNSDRがマインドフルネス・ツールとして受け入れられているんだとか。グーグルCEOのスンダル・ピチャイが『 ウォール・ストリート・ジャーナル』紙のインタビューで「NSDR(ノン・スリープ・ディープ・レスト)と呼ばれるポッドキャストを見つけた。だから、瞑想するのが難しくても、YouTubeでNSDRのビデオを見つけることができるんだ」と答えている。