骨髄バンク設立に尽力した藤岡八重子さん、高校で講演 登録呼びかけ
10月は骨髄バンク推進月間。骨髄バンクの設立に尽力した京都府福知山市の藤岡八重子さん(78)が15日、府立大江高校(同市大江町)で2年生15人に骨髄バンクができるまでの経緯や現状について語った。 【写真】骨髄バンクの大切さを生徒に語りかける藤岡八重子さん=2024年10月15日午前11時22分、京都府福知山市大江町金屋、滝川直広撮影 藤岡さんの次女の貴子さんは3歳で白血病になり、一時的によくなったり、再発したりを繰り返した。当時は骨髄バンクがなく、藤岡さんは1987年、設立に向けて動きだした。厚生大臣や日本赤十字社に手紙を出した。 しかし、骨髄を採取するには健康な人に全身麻酔をかけ、太い針を刺すことから「リスクが大きく、できない」との返事が届いたという。それでも藤岡さんは骨髄バンクの必要性を訴え続けた。 89年、貴子さんが13歳で亡くなった。翌日、厚生省から骨髄バンクの設立決定を知らせる手紙が届いた。2年後、日本骨髄バンクができた。 藤岡さんは現在、NPO法人「献血と骨髄バンクの和を広げる会」の理事長として、大学などで骨髄バンクへの登録や献血の呼びかけを続けている。この日、生徒たちに「骨髄バンクへの登録は18歳から、提供は20歳からできる。若い人に登録していただければ、長く提供できる」と語りかけた。 熱心にメモをとっていた平田徳継さん(16)は「知り合いに白血病の人がいて、髪が抜けても元気に過ごしている。自分も骨髄バンクに登録して誰かに提供できたら」と話した。(滝川直広)
朝日新聞社