トランプ関税の裏をかけ、BofAが中国・欧州株の逆張り買いを推奨
(ブルームバーグ): トランプ次期米大統領が計画する関税措置に対抗すべく、各国・地域の金融・財政政策はより緩和的になる可能性が高いことから、投資家は来年にかけて米国外の株式に資金を投入し始めるのが良いと、バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストが助言した。
マイケル・ハートネット氏率いるBofAのチームは週間リポートで「米大統領の就任式を控えた中国や欧州などの世界株は買いだ」と指摘。トランプ氏が大統領就任後に関税を引き上げることを想定し、中国は財政政策を緩和し、欧州中央銀行(ECB)は「積極的に」政策金利を引き下げるとの見通しを示した。
先週の大統領選でトランプ氏が大勝して以来、投資家は米国資産に資金を投入している中で、この戦略は逆張りに相当する。欧州や中国に対する弱気なセンチメントは今や「屈辱で買え」の水準に近づいていると、ハートネット氏らは述べた。
欧州と中国の株価は選挙以来下落しているが、トランプ氏の内向きな政策が米資産に利益をもたらすとの見方から、米国株は上昇を続けている。選挙後の動きは資金の流れにも表れており、BofAのストラテジストによればこの1週間で欧州と新興市場から計100億ドル(約1兆5500億円)が流出したのに対し、米国株には550億ドル以上が流入した。
S&P500種株価指数は年初から25%上昇しているのに対し、ストックス欧州600指数の上げは約5%にとどまる。米国株との差はここ約30年で最大となっている。
それでもハートネット氏らは欧州や中国では米国と比べて、借り入れコストの低下や通貨安、さらに石油下落から金融環境が大幅に緩和されると予想する。
原題:BofA’s Hartnett Says Buy China, Europe Ahead of Inauguration Day(抜粋)
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Michael Msika