負傷で号泣も交代は拒絶していた 指揮官がメッシ交代の舞台裏を告白「あんな状態でも仲間を置き去りにしなかった」
タイトルに対する想いの強さが溢れ出たのかもしれない。アルゼンチン代表のリオネル・メッシは、現地時間7月14日に米フロリダ州マイアミで行われたコロンビア代表とのコパ・アメリカ決勝で、負傷交代を余儀なくされた時、ベンチで大粒の涙を流した。 【画像】「衝撃的だ」と悲痛な声…異様に腫れ上がったメッシの右足をチェック 事態の深刻さは生々しく腫れあがった右足が物語った。 36分に敵陣で相手DFのサンティアゴ・アリアスとの競り合いで転倒した際に右足首を捻っていたメッシは、その後も負傷をおしてプレーを続行。しかし、63分だった。守備をしに自陣に戻った際に踏ん張り切れずにピッチに倒れると、顔をしかめて立ち上がれず……。すぐさま交代を告げられた。 ベンチに戻り、「号泣」という表現がおかしくないほどに涙を流した背番号10。その右足首は異様に巨大化。驚くほどに腫れ上がった個所は、ダメージの大きさを感じさせた。 SNSでも「なんと生々しい」「これは酷い」「衝撃的だ」といった嘆きの声が相次いだメッシの負傷。そんなチームのエースにして、精神的支柱でもある偉才を下げるという決断は容易ではなかったはずである。ドクターの判断もあったわけだが、即座に切り替えられた指揮官の対応力は見事であった。 では、指揮官は何を考えて決断に至ったのか。試合後の会見に姿を見せたリオネル・スカローニ監督は、メッシは交代を拒絶していたと回想。その上で、当時の考えを振り返っている。 「メッシはすべてのサッカー選手が持つべきものを持っている。彼は史上最高の選手であり、去りたがろうとはしなかった。私はそういう選手の方が好きだし、急にピッチからいなくなるような選手は好まない。彼がプレーしたがったのは、利己的だからではなく、チームメイトとともに勝ちたいからで、あんな状態でも仲間を置き去りにしようとしなかった」 それでも「入ってくる選手によってチームが良くなり、違うプレーができるかもしれない」と唯一無二のエースを代える決断を下したスカローニ監督。その判断は結果的に的中したと言えよう。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]