母「あなたは一生歩けない」生まれた時から車いすで生活をする男性 「あのカッコいい車いすに乗りたい」ダンサーとして活躍するようになったわけとは
車いすダンサーとして活躍
車いすダンサーとして東京2020パラリンピック開会式や、2021年NHK紅白歌合戦「マツケンサンバII」に出演したかんばらさんですが、ダンスを始めたのは29歳のときでした。 ある日、ヤマハの「&Y01」がパフォーマンス専用車いすとしてテレビのニュースで紹介されていました。そして、数ヶ月後にSNSで「&Y01」のパフォーマーを募集していたため、かんばらさんは応募することに。ダンスを踊りたいというよりも「あのカッコいい車いすに乗りたい」というのがきっかけだと話します。 普段の生活では側弯症で曲がった背中や、細い脚などを他の方に見られることに抵抗があり、ゆったりしたパンツを穿くなどして分からないようにしていたというかんばらさん。しかし、ステージ出演する際には衣装担当の方から、背中が出る衣装を着て貰えないか相談を受けたそうです。 ※側弯症(そくわんしょう)…背骨が左右に弯曲した状態で、背骨自体のねじれを伴うことがあります。 その衣装でステージに立ったところ、お客さんから「美しい」という感想をいただいたのです。自分では「醜い」と思っていたのに、ステージ上では「美しい」と思ってもらえることに驚いたと語ります。 「車いすでもすごい」という反応よりも、シンプルに「かっこいい」「美しい」という反応が多いのは嬉しいですと話していました。 ダンサーとして活動をしていていく上で悩んだことは、ダンサー、システムエンジニアの仕事、家族との時間のバランスでした。そこで、奥さんと話をして納得できるところを探っていったといいます。 かんばらさんは、多くの舞台やイベントで活躍しています。その中で一番印象に残っているのは、東京パラリンピックのステージでした。 「本番の際に小雨が降っていましたが、ステージで上を見上げる動きをした際に、自分に向かって照明で照らされたキラキラした雨粒が降り注いでいる瞬間が一番印象に残っています」と語ってくれました。