キルギスの怪物シェイドラエフの“凶暴性” 大みそかのリングで死地を見た元K-1王者の証言「何回も意識が飛んだ」【RIZIN】
「あのパウンドからの肘はめちゃくちゃ……。想像以上に効いた」 これは12月31日にさいたまスーパーアリーナで行われた『RIZIN.49』で、ラジャブアリ・シェイドラエフ(キルギス)に2回TKOで敗れた久保優太(PURGE TOKYO/BRAVE)の証言だ。真っ赤に腫れあがり、鼻もへし曲がった痛々しい姿が、キルギスの怪物の恐ろしさを物語っていた。 【動画】衝撃のパウンド地獄…怪物シェイドラエフのKOシーンをチェック 2019年のMMAデビュー以来、13戦無敗(5KO)を誇るシェイドラエフ。RIZINでも、今年6月の武田光司(フリー)戦で1回TKO勝ちを収めて以来、敵なしの強さを見せつけてきた。一方の久保も直近5戦無敗。37歳にして自信を深めていた。だからこそ、元K-1王者が防戦一方となった衝撃は小さくない。 隙を微塵も見せなかった。立ち上がりから久保が得意とする打撃でペースを握ったシェイドゥラエフからグラウンドの攻防でも上から強烈なパウンドを何発も炸裂。ここでフィニッシュとはいかなかったが、1ラウンドを終了した時で久保は流血。傷だらけになった顔面は血だらけとなった。 かたやほぼ無傷のシェイドラエフは、2回も「何回も意識が飛びそうになった」と脳へのダメージも負っていた久保を圧倒。フラフラのグロッキー状態で、蹴りにも力が入らない37歳を尻目に強烈な右のブーメランフックを当て、首相撲からの膝を炸裂。さらにグラウンドで久保のバックを取り、ふたたび“パウンド地獄”としたところでレフェリーが試合を止めた。 強靭なパワーと卓越したスキルを見せつけ、とことん打ちのめしたシェイドラエフ。そんなキルギス生まれの傑物の異次元さは、強打を浴び続けた久保の言葉がより鮮明にする。 「なんとか耐えよう、耐えようとしたんですけど……。バックチョークをしのいでからもパウンドを受けた。(脳のダメージで)控室に入ってからも吐いた。本当にサイドポジションに入ってからの肘ですね。あれは想像以上です。映像で見るよりも、実際にやった方が凄さが分かったというか。勉強になりました」 さらに「鼻は折れていると思います」と明かした久保は、こうも続けている。 「何回も意識が飛んだ。打たれるたびにクラクラっと来て、『ヤバい』っていう感じでした」 大みそかのリングで名手を死地に追い込み、底知れぬポテンシャルを見せつけたシェイドラエフ。この圧勝劇によって彼が群雄割拠のRIZINフェザー級のタイトル戦線に名乗りを上げる形となったのは間違いない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]