【買ってみた】PS5 Proで実際に遊んでみてわかった、今こそ「PS5 Pro」を買うべき理由【体験レポ】
2024年11月7日、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)からついに発売された「PlayStation 5 Pro」(以下、PS5 Pro)。筆者の自宅に届いたばかりのPS5 Proで実際に遊んだ感想をまとめてみた。 【比較画像】PS5 Proの方が、真ん中の焚き火や手前の床が少し滑らかに表示されている なお、本記事は筆者が自腹で購入した実機を使用しており、メーカーからの執筆依頼やPRではないため、一切の忖度をせずに思ったことを素直にお伝えできればと思う。まだ購入を迷っている人がいれば参考にしていただきたい。 ■PS5 Proの機能を最大限活かすエンハンス対応 PS5 Proにとっての一番の強みは、何と言っても圧倒的なグラフィックと滑らかなフレームレートの共存。遊びたいゲームソフトそのものにPS5 Proの最適化(エンハンス対応)がされていて、4K120fps対応のモニター(テレビ)を用意できれば、PS5 Proの性能を最大限活かして遊ぶことができる。 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)はすでに50以上のタイトルでPS5 Proのエンハンス対応(PS5 Pro Enhanced)が済んでいることを発表しているが、当然ながら普段遊んでいるゲームやこれから遊びたいゲームがそこに含まれているとは限らないし、4K120fps対応のモニターもそんなに簡単に用意することはできない。 そこで、今回は"あえて"非エンハンス対応のゲームで、どこまでPS5 Proが進化したのかを遊びながら検証してみたいと思う。 ■"あえて"非エンハンス対応の「Dead by Daylight」で検証! 前回の記事でもお伝えしたように、別売りのディスクドライブの入手ができず手持ちのパッケージソフトが使えないため、今回は普段デジタル版で遊んでいるゲームで検証することにした。 今回検証に使用したのは、非対称型対戦サバイバルホラーゲーム「Dead by Daylight」(デッドバイデイライト)。筆者があらゆるプラットフォームで合計5000時間近く遊んでいるオンライン対戦ゲームだ。ちなみに使用するモニターはBenQ MOBIUZ EX2510S。フルHDのIPSパネルでリフレッシュレートが165Hzあるので、PS5で遊ぶには十分すぎるスペックをもっているが、PS5 Proの性能を最大限活かすほどのスペックとはいえない。 PS5 Proで「Dead by Daylight」を実際にプレイをしてみて最初に気がついたのは、画質が上がってオブジェクトや背景の描写がより鮮明になったこと。マップによっては物理的に暗い場面が多いので、わずかな敵の動きを察知して見つけるのが非常に難しいゲームなのだが、通常のPS5に比べてPS5 Proの方が明らかに視認性が上がっている。 筆者はこのゲームで遊ぶときはいつも、隠れている生存者(サバイバー)を探して追いかける殺人鬼(キラー)でプレイしているが、視認性が上がったことで確実に索敵能力が向上したのを実感した。また、サバイバーを追いかけているときのFPSも安定するので、急旋回や予測不能な動きにも対処しやすくなってPS5よりも操作性が向上していることがわかった。ただし、Steam版とは違ってオプションのグラフィックタブでFPS制限を上げることはできないので、上限は60fpsのままだと思われる。 エンハンス対応していないにも関わらずこれだけ差が出るのであれば、エンハンス対応をしたゲームなら明らかにゲーム体験が向上するだろうと簡単に予想ができる。しかも、使用しているモニターはフルHD画質なので、PS5 Proに最適化されたゲームを4K(もしくはWQHD)のモニターでプレイすることができれば、今までのコンソール機で経験したことがないような圧倒的なビジュアルとパフォーマンスでゲームをすることができるのは火を見るよりも明らかだ。 ちなみに筆者はこのあとに、エンハンス対応しているバトルロイヤルゲーム「エーペックスレジェンズ」もプレイしてみたが、「Dead by Daylight」同様にオブジェクトや背景の描写がより鮮明になったことで、遠くの敵を簡単に見つけることができるようになったり、極端にFPSが下がることで有名なバンガロールのウルトを使用してもあまりカクつくことがなくなるなど、目に見える効果を実感することができた。ゲーム体験や快適性は確実に向上している。 ■PS5 Proを買うべきか、ゲーミングPCを買うべきか 2024年9月、PS5 Proの発売と仕様が発表されたときにゲームファンを一番驚かせたのは販売価格だったが、当初からネット上では「もう少し予算を上げてゲーミングPCを買ったほうがいいのでは」という意見が散見された。もちろんその意見もある意味で正しいのだが、ゲーミングPCも所有している筆者の立場からすると、ちょっと拙速な意見に見える。ゲーム機とパソコンではそもそも所有する目的や事情が異なるからだ。 正直なところ、PS5 Proで体験できることは、ある程度のスペックを積んだゲーミングPCであれば再現できる。ただし、そこに注ぎ込むお金やコストはまったくそれに比例しない。詳しい比較はネット上にたくさん転がっているので検索してみてほしいが、もしもゲームをするためだけにPS5 Proと同等程度のゲーミングPCを購入するのであれば、間違いなく最もコストパフォーマンスが悪い立ち回りだと言える。限られた予算の中で最高のゲーム体験を得ることだけを目的とする購入ならばPS5 Pro一択だと思う。PS5 Proで体験できる感動は12万円以下では実現できない。PS5 ProのおかげでゲーミングPCは無理して買うべき物ではなくなった、とも言える。 ただし、それほどゲームの性能に大きな感動を求めていない人や今のPS5で満足している人には、はっきり言ってそこまでPS5 Proの購入はおすすめしない。理由は同じくコストパフォーマンスの問題だ。現在販売されているPS5 デジタル・エディションとPS5 Proの差額はおよそ5万円(正確には4万7000円)だが、その差額を埋められるほどの体験かと言われると筆者は正直そこまでのものではないと思った。 もちろん評価や価値観は人によって変わるだろうが、ただゲームを楽しめればいい、PS5の性能に何の不満もないと思っている人にとっての5万円は安い金額ではない。 ■今、PS5 Proを買うべき理由 一時期の入手困難な状態を抜け出してからは広くたくさんの人が遊ぶようになったPS5だが、最初に世に出てから4年の歳月が経った今、発売当初は高機能高性能と言われていたPS5のスペックでも「ストレスなく最も快適に遊ぶこと」が難しい、と思われるソフトの発売が控えている。 2025年2月は「モンスターハンターワイルズ」(CAPCOM)、2025年中には「グランド・セフト・オート VI」(Rockstar Games)と「ゴースト オブ ヨウテイ」(Sucker Punch)の発売が予定されているのである。どのタイトルも言わずもがなの超ビッグタイトルだ。 そして、先日「モンスターハンターワイルズ」の推奨スペックが発表されて話題になったように、次世代のゲームに求められるスペックの高さは年々上がり続けている。PS5でももちろんゲーム体験自体は成功するだろうが、PS5 Proであればその成功の確率は高まる。 SIEはもちろん、各タイトルのメーカーはPS5 Proのエンハンス対応を明言していないが、仮にこれらのタイトルがエンハンス対応をしないとしても、「Dead by Daylight」と同じくPS5 Proの性能で恩恵を受けることができるのはほぼ間違いない。 ちなみに、そういうビッグタイトルが発売された直後は、大抵の場合においてハードの在庫切れが発生するケースが多いのも事実。当然メーカーもそれなりにハード在庫の調達に力を入れるだろうが、昨今の別売りディスクドライブの流通具合を見てもわかるとおり、マーケティングの予想が確実に当たるとは言い難い。 今は潤沢なPS5 Proの在庫が来年2月以降も続くとは限らないし、今年いきなりPS5の価格が値上がりしたように、PS5 Proもすぐに値上げしないとも限らない。もしそうなった場合にさまざまな理由で買えないもどかしさと戦いたいのか、今あるうちに買って来年のソフトの発売と同時にプレイを楽しみたいのか。少しでも気持ちが後者にあてはまるのであれば、「12万円はちょっと高いから今買うのはやめておこう」、「ほかに欲しい物もあるしもう少し様子を見てからにしよう」と思っているそこのあなたこそ、今PS5 Proを買うべき人なのでは、と筆者は思う。 (C)Sony Interactive Entertainment Inc. All rights reserved.Design and specifications are subject to change without notice.
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