長谷部が発した「監督を信じる力が試される」の真意
たとえば、直近の試合から1週間しか経過していない長谷部には「すべてオフでもいいが、1日もしくは2日、体を動かすとベター」という連絡が入っている。「指示ではなく、推奨という形ですね。僕はその通りに2日は体を動かしました」と長谷部が続ける。 「初戦(のパレスチナ代表戦)まで2週間くらいある。これだけ長く一緒にできることもあまりないので、チーム作りという部分でも貴重な時間としていきたい。あとはファンやサポーターの方々に自分たちがまとまっているところを見せれば、応援してもらえると思う。心配をかけて本当に申し訳ないと思っていますけど、日本代表に関わるすべての人が同じ方向を向いていないとアジアカップは勝てない。そこは大事だと思います」 国内合宿中には、長谷部が音頭を取って選手だけのミーティングを開催することも検討している。 「こういう話はできるだけ早くしたほうがいいので、これから話してみようとは考えています」 バレンシアの裁判所が告発を受理するのか否か。受理するとしたらどのタイミングになるのか。その場合、アギーレ監督はいつ証人喚問の場に立つのか。スペイン司法当局の動向がつかめないだけに、国内合宿中もしくは大会期間中に事態が大きく動くことも十分に考えられる。 それでも、この先にどのような状況に直面しようとも、長谷部を中心にチームが一丸となってアギーレ監督を信頼する力を練り上げていく。“アギーレショック”を乗り越えていくための処方箋が、選手たちの目にははっきりと映っている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)