2024シーズンを占う"春の鈴鹿"を、最強パワーユニットの生みの親と語る! 浅木泰昭×堂本光一【F1日本GP直前スペシャル対談】
堂本 でも一方で、ホンダのスピリットを後輩たちに引き継ぐことも、浅木さんの使命としてありましたよね。 浅木 そこは葛藤ですよね。自分でやっているのは楽しいけれども未来永えい劫ごうできるわけはありません。いつかは自らが引くタイミングが来ます。私は定年の1年前に後輩たちに引き継ぎましたが、そのときに寂しさはありつつ、ちゃんと継承しなければならないという義務も感じました。 堂本 わかります。この先『SHOCK』という作品がどうなるか、今は見えていません。このまま作品が途絶えてしまうかもしれない。でも後輩の誰かが引き継いで主演を務める人がいて、そこに自分が演出として関わることができれば協力したい気持ちはあります。あるいは自分は一切関わらず、『SHOCK』という名前は残っていくけれども、新しく誰かがやっていくという形になるかもしれません。 どういう形になっていくのであれ、自分がこの作品の第一線でステージに立つことはないんです。そうなったときの感情はまだ正直言って想像がつきませんが、寂しさはあるのは間違いないと思っています。浅木さんは最後の年はどういう感覚でしたか? 浅木 企業の場合は定年があるのでいや応なしに退かなければならないタイミングが来ます。私が全部ずっと仕切って、誰にも継承せず組織がガタガタになったらどうする、という気持ちでしたね。でも堂本さんの仕事には定年というのはないので、今後も続けていけばいいのではないですか? 堂本 『SHOCK』シリーズは今、対談させていただいている帝国劇場と共に歩んできた作品だったのですが、帝劇は2025年2月に休館して建て替え工事をすることになりました。工事期間は最低でも4年はかかるといわれていて、東京でやる劇場がなくなってしまうのです。 工事が終わる4、5年後の50歳になって自分がまた同じ作品を演じるのは、浅木さんからしたら若いと言われるかもしれませんが、ちょっと厳しいなと考え、今年で最後にしようと決断しました。 浅木 なるほど、そういうこともあるんですね。 堂本 自分もこれから『SHOCK』という作品とどう関わるのかわかりませんが、浅木さんの話を聞けて良かった。すごく参考になりました。