インフル一気に警報級 年末年始で拡大懸念 感染予防策徹底を 気温低下や乾燥要因 福島県内
16日から22日までの1週間に福島県内82定点医療機関で確認されたインフルエンザ感染者数は2608人で、定点医療機関当たり31・80人となった。前週(9~15日)から倍増し一気に警報レベルに達した。会津地方が定点医療機関当たり47・20人で最多。郡山市やいわき市などでも増えている。最大9連休となる年末年始は帰省や行楽で人の動きが活発になり一層の感染拡大が懸念される。医療関係者や帰省を待つ家族、受験生らは警戒を強めている。 県が25日、感染状況を発表した。定点医療機関当たりの感染状況は【グラフ】の通り。郡山市は36・31人、いわき市は35・69人、福島市は30・00人でいずれも警報レベルの30人を超えた。県南や相双でも増え、県北は高止まりしている。 前週に注意報レベルの10人を超えたばかり。一気に増えた要因として県会津保健所の担当者は①空気の乾燥②新型コロナウイルスの5類移行による感染対策の気の緩み③寒さの強まりによる室内換気の頻度減―などを挙げている。
県感染症対策課によると、警報レベルは今年2月以来。例年の傾向だと1カ月程度は警報レベルで推移し、10人を下回るまでには2カ月程度かかるという。 国や県が示す感染予防策は【下記】の通り。手洗い、うがいなどの徹底を呼びかけている。厚生労働省は今季のワクチンについて十分な供給量を確保できる見込みだとしている。 県医師会の石塚尋朗会長は「近距離での会話や食事の他、せきエチケットを守らないといったことでうつりやすくなる」と指摘。家族間の感染が多いとして「油断せずに予防行動をとってほしい」と話している。 【基本的な感染予防策】 ●マスクの着用 ●外出後の手洗い ●室内の小まめな換気 ●加湿器などを使った適度な湿度(50~60%)の保持 ●十分な休養とバランスのとれた栄養摂取 ●人混みや繁華街への外出を控える ■帰省や受験生、警戒強める インフルエンザ感染者の急増に医療現場は対応に追われている。福島市の福島南循環器科病院では25日、発熱外来を訪れた3人のうち2人にインフルエンザの陽性反応が出た。昨年よりも猛威をふるい、22日に休日当番医だった系列のクリニックでは外来を利用した95人のうち6割に当たる57人が感染していたとの報告があった。野地秀義院長は「ここ数年は見られなかった異常な事態だ」と危機感を募らせる。