がれきから掘り出した鐘、ショベルカーでつるして除夜の鐘…石川・珠洲の翠雲寺から被災地に
「除夜の鐘」の音が、能登半島地震の被災地にも鳴り響いた。石川県珠洲市三崎町寺家の天台宗「翠雲寺(すいうんじ)」では、地震で倒壊した鐘楼堂の代わりにショベルカーでつるした鐘を檀家(だんか)らが突き、新年の平穏を祈った。
同寺は地震で本堂も全壊し、倉庫を仮本堂としている。重さ1・5トンほどの鐘はがれきに埋まったが、厄災に見舞われた年だからこそ鐘を突きたいと願う檀家らの提案で昨年12月下旬に掘り出した。住職の岩尾照尚さん(72)は「鐘の音に安寧の祈りと、全国からの被災地への支援に対する感謝を込めた」と話した。