39歳で始めた不妊治療をついに卒業。待っていたのは父の涙と酒好きの旦那にキレる日々
酒好きの旦那にキレる日々
ここからの期間も不安は尽きなかった。クリニック卒業から1週間後、旦那がインフルエンザになってしまい、あり得ないほどブチギレ、説教をした。私は昔から同居人がインフルにかかったら第一声で「お大事に」でなはく「うつさないでね」と言い放つような薄情な人間なのだが、今回はわけが違う。 妻が妊娠中にもかかわらず、ひとりで飲みに行き、その時点で体調が悪いとわかりつつ、翌日も飲みに行き、まんまと感染してきたのだ。妊娠初期の体調がどれだけ大切か、ずっと伝えてきたのに! もし、うつされても妊娠中に服用できる薬は限られているのに!! 家の中でできる限りの隔離をし、目の前が霧で霞むほど加湿した。最低限の看病をしていると「隔離さ寂しい、近くに行きたい」と弱音を吐く旦那。誰のせいだよとまたブチギレる私。お前が招いた事態だろ! 私の気合いでなんとか感染は免れたが、産まれる直前まで、旦那の酒好きのせいで何度かブチギレることになった。 子供がお腹にいるという実感はずっと湧かなかった。昔は漠然と“妊婦=幸せの象徴”なのかと思っていたが、全然そんなことはない。今回の妊娠について、私は「産めるところまでたどり着けた」という意識が強く、友人に「妊娠したとき、うれしかった?」なんて聞かれたが、ずっとうれしさより不安のほうが大勝ちしていた。 体の中に人間が???マジで???ってか、よく考えると股から人間が出てくるってどういう状況??みんな当たり前に受け入れすぎじゃない?と、不安と希望の中でうろたえつつも、私は人生で一番長く感じる10カ月を過ごした。