人生のピークポイントは、子どもが生まれた瞬間――総再生回数30億回突破、平井 大が大切にする家族との日常
大舞台で歌唱することの感慨深さ以上に、年末に家族同然の音楽仲間たちと音を鳴らす瞬間こそが平井にとっては何よりも大切であり幸せなことだったようだ。「紅白」に出演したり、日本武道館でのワンマンライブを開催したり、ワンマンビーチフェス「HIRAIDAI presents THE BEACH TRIP」を開催して1万5千人以上の前で歌ったりした後も、ショッピングモールなどでのフリーライブを欠かさない点にも表れている。 「ウクレレ、ギターを持って歌うこと、それはどんな場所でも変わらない。会場の大きい・小さい、有名・無名で、優劣はつけません。昔、全くお客さんが入っていないライブでも楽しく演奏していたし、去年の武道館でも昔と同じような気持ちで楽しく演奏できましたからね。この先も楽しく、ですね」 まさに『Slow & Easy』を体現している。気負わず自然体で、だが真摯に、平井はこの先も日々を彩る音を届け続けていくはずだ。 「ステキだと思ったものや経験、刺激から影響を受けて、僕の音楽はこれからも生まれていくと思います。時には受ける影響によって今とは違うメッセージを届けるかもしれない。ただ、たとえ変わったとしても、その時々の自分に素直でいることが一番大事。その自分を大事にしていれば、必ず“LOVE & PEACE”につながると信じています」
興味が湧くのは音楽だけ
今年7月でメジャーデビュー10周年を迎える。先日発売された、これまでの軌跡をまとめたベストアルバム『LOVE+PEACE(ラブアンドピース)』に収録された50曲のタイトルを眺めると、平井は「こんなに作ったんだ」とつぶやいた。描く題材はどの曲も違えど、彼の作る曲に通底しているのはアルバムタイトルの通り「愛」と「平和」だ。 「僕の日常生活はすごく平和で、その日常が愛にあふれていて。自然に自分が毎日から感じ取るものを音楽にしていったら、こうした曲たちができました」 平和なマインドでいるために、どのようなことを普段意識しているのだろうか? 「自然に、ですね。家に帰れば愛する人がいて、愛する我が子もいる。それだけですごくリラックスできる。あと、嫌いなものに触れない。つまんなそうな映画は見ないし、興味ない音楽も聴かない。食事はそのときの気分で食べたいものを食べる。あまり難しいことはしていません。あとは音楽をとにかく楽しむこと。ミュージシャンよりいい職業、世の中にいっぱいありますから」 仮に音楽以外の道へと進めるのなら、どんな人生を歩みたかったのだろう? 「弁護士さんは憧れちゃいますね、威厳があってカッコイイ。あとは、自衛隊の方や消防士さん、警察官のみなさん、医療従事者の方々……みなさん素晴らしいですよね」 それでも、やはり選んだのはミュージシャンの道だった。 「僕は好きなもの、興味が湧くものが音楽だけで、音楽以外のことができなかった。ミュージシャンという職を選んだのなら楽しまないとね」