近い将来、マンションを購入予定です。購入までに資金を増やしたいので外貨預金を検討しているのですが、“預金”なので株式投資より安心ですか?
マンションの購入を予定していたAさんですが、昨今のマンション価格の高騰を考えると、購入は少し様子をみることにしました。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい? 購入資金を普通預金に預けっぱなしにしておくのは惜しいので、金利の高い外貨預金を考えています。
金融商品の特徴を確認
「貯蓄から投資へ」という世間の風潮もあり、普通預金に預けておくのはもったいないという機運が高まっています。Aさんは手元に多額の資金を置いていますので、もったいないという気持ちになるのもうなずけます。 ですが、ここは冷静に考えることが大切です。はじめに、お金の置き場所について整理します。
(図表1) 図表1を順番にみていきます。「いつ、どのようなときのための資金か?」を考えると分かりやすいです。 1. 日常の生活費や、病気・けがなど突発的な“もしも”のときに備える資金は、図表1の「(1)流動性の高い商品」が置き場所です。 “いつでも手にできる状態”がポイントなので、元本保証も必要です。普通預金や証券会社が扱うMRF(マネー・リザーブ・ファンド) が代表例です。 2. もう少し使用時期は先(目安は10年以内)だけれど、減らしてはいけない資金は、図表1の「(2)安全性が高い商品」が置き場所です。 住宅購入資金や子どもの教育費など、具体的に使う予定があるお金です。定期預金のほか、個人向け国債や高格付けの社債など(1)よりも選択肢は広がり、預貯金よりは高い利回りで増やすことも考えられますが、増やすよりも守ることを重視します。 3. 10年以上使う予定のない余裕資金は、図表1の「(3)収益性の高い商品」が置き場所です。 今ではなく将来に備えて、増やすことに目を向けることになります。国内外の株式や債券、これらに投資する投資信託などです。時間を味方につけることができるので、バリエーションが豊かです。収益を求めることで、リスクも大きくなります。 この場合のリスクは、損失ではなく“振れ幅”を指します。安全性と収益性を両立することは難しいのですが、長期間運用することで“振れ幅”を減らすことができます。老後資金を準備するためのツールとして、NISAが推奨されているのはこのためです。