近い将来、マンションを購入予定です。購入までに資金を増やしたいので外貨預金を検討しているのですが、“預金”なので株式投資より安心ですか?
“預金”という名前でも安心は禁物
Aさんの持つ資金はマンションの購入資金なので、図表1の(2)に該当します。「株式投資はリスクがあるが外貨預金なら大丈夫かも」と考えたAさんです。 外貨預金は、円預金に比べて利率が高いので魅力的です。しかし、預金と名前がついていることで、安全と思われがちなところに落とし穴があります。米ドル預金をした場合、円から米ドルに両替手数料が掛かります。その時点で手持ちの3000万円(仮)は目減りしてしまいます。 これは米ドルから円に戻すときも同様です。さらに、為替相場には動きがあります。いくら金利が高くても、為替相場によって元本割れの危険があります。 手元資金3000万円(仮)を利率の高いネット銀行で比べてみると、円普通預金の利率0.15%に対して米ドルで預けると1年定期で3.8%ということは、4万5000円と114万円の違いは大きいと計算されたでしょう。 もし手持ちの資金が米ドルで、1年後にアメリカに旅行したときに米ドルで使う資金なら外貨預金はお勧めですが、最近の為替相場の変動を考えてもリスクは否めません。 もし、図表1の(3)にあたる余裕資金を外貨預金で運用するのなら、預け入れの時期を分散する投資手法をお勧めします。その名のとおり「ドルコスト平均法」で、毎月円ベースで一定金額を買い続けるやり方です。 円安のときは少なく、円高のときは多くドルを買うことになります。まとまった資金がある場合も一括ではなく分割で両替すれば、高値づかみをして「しまった」と悔やむことが回避されます。 以上のように、使う目的や時期によって運用商品は違ってきます。何を重視するのかを見極めることが重要でしょう。そのうえで、大事な資金を運用する商品選びをしてください。欲張り過ぎて、守る資金を減らしてしまわないことを願います。 執筆者:宮﨑真紀子 ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士
ファイナンシャルフィールド編集部