「40代独身です。未来が不安で仕方がありません」/人間関係、仕事、セックス…アラフィフの”モヤモヤ”を一刀両断! 藤森かよこの「読むワクチン」
未来の不安を解消するために最も重要なポイントは、経済的なことより、ズバリこれにつきます。それは「一人でいても寂しくない自分をつくる」こと。 一人でも寂しくない自分になるには、視野を広げること。そうすれば、道はいろいろ見えてきます。 視野を広げるためにするべきことは、自分をできるだけ俯瞰すること。そして俯瞰するには、自分から意識的に離れる必要があり、それには離れるための装置が必要です。 例えば私は名古屋在住ですが、頭の中を空にするために無目的に名古屋の街中をドライブします。そうすると、「あれ? ここにこんなビルあったっけ?」といった発見が意外とあります。 街の変化に気づくこと、季節の花を愛でること、誰かの小さな優しさに出合うこと。 未知なる恐怖を打破する材料は、こういったニッチなところに、たくさんあるんです。感受性と他人への敬意があれば、幸せは必ず見つけられます。
姪や甥があなたのために何かやってくれるとは限りません。究極的には、もしかして孤独死するかもしれません。でも、孤独死の何が嫌なんですか。 人間社会というものは、それぞれが何かしら世話し合って成り立っています。そのときは遠慮せず、誰かのお世話になりましょう。 大切なのは、繰り返しますが「一人でいても寂しくない自分をつくる」こと。それには教養があったほうがいいですから、興味のアンテナをたくさん持って、この世からおさらばするそのときまで、できるだけたくさん、幸せを感じながら生きていきましょう。
【言葉のワクチンを打ってくださった方(回答者)】
藤森かよこさん 福山市立大学名誉教授、文筆家。1953年愛知県名古屋市生まれ。南山大学大学院文学研究科英米文学専攻博士課程満期退学。岐阜市立女子短大、金城学院大学短大部、桃山学院大学、福山市立大学を経て、福山市立大学名誉教授。アメリカの国民的作家であり思想家のアイン・ランド研究の第一人者で、アイン・ランドの大ベストセラー『水源』『利己主義という気概』(ともにビジネス社)を翻訳。著書に『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。』『馬鹿ブス貧乏な私たちが生きる新世界無秩序の愛と性』(すべてKKベストセラーズ)、『優しいあなたが不幸になりやすいのは世界が悪いのではなく自業自得なのだよ』(大和出版)、『ニーチェのふんどし』(秀和システム)などがある。 取材・文/中沢明子
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