息子が来年の春から県外の国立大学に進学するため「一人暮らし」を始めます。仕送り額を足すと私立大学の学費ほどになりませんか?
国立大学は私立大学に比べて学費が安く済むため、親としてはありがたさを感じることもあるでしょう。 しかし、大学が家から遠くて一人暮らしをするとなると、仕送りをしなければならない場合もあるはずです。その場合、仕送り額を足すと「結局は私立大学の学費と同じくらいのお金が必要になるのではないか?」と不安になることもあるかもしれません。 本記事では、国立大学と私立大学の学費の平均を比較するとともに、大学生の一人暮らしにかかる生活費や仕送り額の平均についても詳しくご紹介します。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
国立大学と私立大学の学費の平均
独立行政法人 日本学生支援機構による「令和4年度 学生生活調査結果」によると、昼間部に通った場合にかかる、国立大学と私立大学の学費の平均は表1の通りです。 表1
出典:独立行政法人 日本学生支援機構「令和4年度 学生生活調査結果」を基に筆者作成 学費の合計では国立大学の方が私立大学より70万円ほど安くなっています。
大学生の一人暮らしにかかる生活費の平均
同調査を基に、下宿やアパートで暮らしながら昼間部に通う大学生の生活費の内訳を表2にまとめました。 表2
出典:独立行政法人 日本学生支援機構「令和4年度 学生生活調査結果」を基に筆者作成
平均程度の仕送りをすると私立大学の学費と同じくらいになる?
同調査によると、国立大学に通いながら、下宿やアパートなどで生活する学生に対する「家庭からの給付」は106万7300円ということです。 今回参考にした「家庭からの給付」は学費も含まれているため、差し引いた金額を仕送りとして計算していきます。 奨学金の平均額が国立大学は36万2400円なので、学費の平均からその分を差し引くと、19万4000円が学費の負担分となります。さらに「家庭からの給付」から学費を差し引くと87万3300円が生活費に充てるための仕送り額ということになるでしょう。 今回の事例では「国立大学に通う息子に仕送りをすると私立大学の学費と同じくらいになるのか?」ということなので計算してみます。 国立大学の学費55万6400円に生活費分の仕送り額である87万3300円を足すと、142万9700円になります。私立大学の学費は123万4300円なので、学費のみと比較すると「国立大学の学費+生活費の仕送り」の方が20万円近く高くなるかもしれません。 ただし、私立大学でも、実家から通う場合は大学の場所によっては交通費が大きくかかる可能性があります。定期代などの交通費を親が負担することも考えられるため、一概に国立大学に通いながらの一人暮らしの方が高くつくとはいえないでしょう。
国立大学の学費に仕送り額を足すと私立大学の学費より高くなる可能性がある
国立大学は私立大学よりも学費が安くなりますが、一人暮らしをする場合は仕送りが必要になることもあるため、負担額がいくらになるのか確認しておいた方がいいでしょう。 一人暮らしの大学生の生活費の年平均は107万1800円、生活費分の仕送り額の平均は87万3300円ということです。 平均程度の仕送りをした場合、学費と合わせると私立大学の学費よりも高くなる可能性があるでしょう。その点も考えたうえで仕送り額を決めることをおすすめします。 出典 独立行政法人 日本学生支援機構 令和4年度 学生生活調査結果(49ページ) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部