【毎日書評】これ以上疲れない戦略を。コミュニケーションを簡潔にする「スマート・シンプル」実践術
なぜそれが重要か?
スマート・シンプルがもっとも効果を発揮し、欠かせないのは職場だと著者は述べています。仕事上のコミュニケーションにスマート・シンプルを取り入れ、効率のいいやりとりを行えば、職種を問わず、仕事の遂行能力と評価を飛躍的に高めることができるのだと。 ▶︎上司や同僚は、あなたがコミュニケーションを円滑にし、時間を節約し、有益な視点を提供していると気づくだろう──そしてあなたに報酬を与えるはずだ。 ▶︎ほとんどの人は、仕事でスマートにコミュニケーションを取るのがひどく苦手なため、あなたは有利な立場に躍り出る。(158ページより) スマート・シンプルは、こうしたメリットをもたらしてくれるというのです。(157ページより)
明快なコミュニケーション能力はチャンスになる
著者は、小さなスタートアップから大企業まで、さまざまな企業のCEOと話をするなか、大多数の人々が現代の情報量の多さに圧倒されていると実感しているそう。 当然ながら、そうした状況はまったく楽観できないでしょう。しかし、魅力的で明快なコミュニケーション能力を身につければ、それはとてつもないチャンスにもなるようです。 事実、調査によると、日々の業務にスマート・シンプルを導入すれば、仕事上のコミュニケーションにおいて大幅な改善がみられることが判明しているのだとか。では、具体的にどうすればいいのでしょうか。(158ページより)
スマート・シンプルを取り入れる「ヒントと解決」
1▶︎「連絡」「説明」を簡潔にする メールによる重要な連絡事項は、スマート・シンプルに徹して書くべきだといいます。メールはとかく長尺になってしまいがちですが、そこをあえて簡潔にしてみれば、コミュニケーションに一貫性とオリジナリティがもたらされるというわけです。 2▶︎「マネジメント」を簡潔にする 管理職の立場にあるに対して著者は、毎週の連絡事項を簡潔でスマートなニュースレター形式で配信することを勧めています。また、直属の部下たちにも勧めてみるといいそうです。 ▶︎新たな1週間に向けて組織の連携を深めるには、月曜朝のメールがもっとも効果的。 ▶︎データによると、連絡事項の開封率を最大にするには午前中に発信すべきである。 (162ページより) 3▶︎「プレゼン」を簡潔にする 「パワーポイントは落書きの温床であり、目を酷使する拷問だ」と著者。多くの人が大量にスライドをつくり、アイデアや提案を余計な工夫とことばでかき消しているということです。手っ取り早い解決策は以下のとおり。 ▶︎プレゼンの冒頭では、タイトルの秘訣(筆者注:第6章で述べられているシンプルなアプローチ)を使って重要な考えを提示する。 ▶︎それ以降のスライドでも同じように簡潔な見出しと、いくつかの箇条書きでポイントを伝える。箇条書きは、それぞれできるだけ短い1文にまとめる。 ▶︎図版はシンプルなものを使い、あくまでも付加的なものとする。 ▶︎スライドはできるだけ5、6枚を超えないようにする。 ▶︎最後は重要な考えをふたたび述べ、最初に戻って締めくくる。 (163ページより) すぐに実践できることなので、試してみる価値はありそうです。(162ページより) 物事が行きすぎてしまった場合には「揺り戻し」、すなわちリセットすることが必要で、それが大きな効果をもたらすことがあります。もちろん、それは情報の取り扱い方にもいえること。だからこそ、これ以上疲弊しないためにも本書を参考にリセットを試みるべきではないでしょうか。 >>Kindle Unlimited3カ月無料キャンペーン実施中【10/20まで】 Source: ダイヤモンド社
印南敦史