板書の写しへ不安や悩みを抱く脳性まひっ子たち 寄り添う先生もいれば、“みんなと同じ”を強制する先生も
■ノートに写す代わりにタブレットで撮影 合理的配慮は、「障害者差別解消法」に書かれていて、障害のある人が、社会にあるさまざまなバリアのため、生活しづらい場合に申し出があった場合に、学校や行政機関、民間の事業所などは負担が重すぎない範囲で対応をしなければならないとされています。ここでいう「障害」は、障害手帳の有無に関わらず、日常生活や社会生活において自身の障害特性により制限を受けているすべての人が対象です。 たとえば、上記の板書のケースで合理的配慮を考えると、文字を書かずにタブレットで黒板の写真を撮ってノートの代わりにするなど、負担軽減につながる方法を話し合って見つけていくことになります。 でも、合理的配慮は一律ではありません。学校では校長や担任の先生の考え方によって環境が大きく変わってしまう現状があるのも事実です。 私が運営しているNPO法人かるがもCPキッズ(脳性まひの子どもとパパママの会)に保護者から届く声を聞く中では、板書に関する不安や悩みはかなり多いものの、寄り添って考えてくださる先生もいれば、「不公平」という理由でみんなと同じように書かなければならないケースもあるようです。「障害がある子どもは特別支援学校へ」という時代ではなくなった今、ともに生活をしていくために、学校も保護者も一緒になって考える必要性を実感しています。 ※AERAオンライン限定記事
江利川ちひろ