なぜ50代以降の女性で<口臭リスク>が一気に高まるのか?実は「更年期」や「あの装置」が影響していて…原因とセルフケアを歯科医師が解説!
記録的な暑さが続いている今年の夏。一方でコロナなどの感染者数が増加、といった報道を前に、マスクの扱いを今一度考えなおしている方も多いのかも。マスクや口周りについて考えたとき、切っても切り離せない関係にあるのが「口臭」です。医療法人社団アスクラピア統括院長の永田浩司先生によると、「特に50代以降の女性は口臭の<原因>が増えやすい」そう。その理由と対策について教えていただきました。 「舌筋トレ」で口腔ケアを!舌は口を閉じた時、どの位置にあるのが正解?よく噛んで唾液の分泌を促そう * * * * * * * ◆「生理的口臭」と「病的な口臭」 そもそも口臭には大きく分けて2つあります。それが「生理的な口臭」と「病的な口臭」です。 「生理的な口臭」は起床直後や空腹時、緊張している時に起こりやすく、唾液の分泌量が減り、口の中の細菌が増えやすくなることが原因です。これは誰にでも起こる口臭なので気にする必要はありません。 一方、「病的な口臭」は、<全身の病気>が原因のケースと<口腔内>に原因があるケースに分けられます。 ここで言う<全身の病気>としては、鼻やのどの病気、呼吸器系や消化器系の病気、糖尿病、肝臓疾患などが該当します。一方で<口腔内>としては、唾液の減少による口腔内の乾燥、入れ歯の清掃不足、舌苔、歯周病、虫歯などがあります。 この場合、病気が完治したり、口腔内のトラブルを解決したりしない限り、口臭がなくなることはありません。
◆口臭が「ない」ことを証明するのはなかなか難しい 口臭は、口の中の「VSC」(揮発性硫黄化合物)というガスを起因として生じます。 この原因物質の1つであるメチルメルカプタンは「腐った卵」と表現されるような強烈なニオイで、歯周病による口臭がこれに該当します。 因みに歯科医であれば、口臭によって、その原因を虫歯やプラーク、入れ歯などと判断できるのですが、患者さん自身が見分けるのは難しいでしょう。ですので、口臭が気になったら、まずは歯医者さんを受診するのがオススメです。 まれに「生理的な口臭」にも「病的な口臭」にも当てはまらない患者さんがいます。 それが、自分には口臭があると思い込んでしまう「心理的口臭」です。 家族やパートナーに口臭を指摘されたのをキッカケとして受診するケースも多いのですが、実際に診察すれば、ニオイもなく、原因も見当たらない。 その場合、たいていは起床後や緊張していた時に生じる「生理的な口臭」だったのでは、と説明することになりますが、口臭が「ない」ことを証明するのはなかなか難しい。説明しても、患者さんに納得していただけないことがしばしばあります。