足元の円安は一時的!?…米ドル円相場はすでに「円高トレンド」突入の可能性【米ドル円の予想レンジ】
今週の注目点…米経済指標の結果と米金利への影響
そんな米金利の動向を考えるうえでは、米経済指標発表を通じた米景気のチェックが基本になります。そのなかで今週の焦点になりそうなのは、CPI(消費者物価指数)、PPI(生産者物価指数)といった米インフレ指標の発表です。 主な予想は以下の通りですが、総合指数はCPI、PPIとも前回より上昇するとの見方になっており、予想通りとなった場合、更なる金利上昇を後押しする可能性は要注意でしょう。 〈11日〉12月CPI総合……前回3.1%、予想3.3% 同コア……前回4.0%、予想3.8% 〈12日〉12月PPI総合……前回0.9%、予想1.4% 同コア……前回2.0%、予想2.0% 以上を整理すると、私はすでに米金利が低下トレンドに転換しており、これを受けて米ドル/円も「円安トレンドが終わり、円高トレンドに転換している」可能性が高いと考えています。そうであれば「米金利上昇=米ドル高・円安」はあくまで一時的ものであり、この1月はその限界を確認する時間帯といえそうです。 米ドル/円の先週の最大値幅も約5円もの大幅なものとなるなど、値動きの大きい、ボラティリティの高い相場が続いています。このため今週の予想も、142~147円といったワイドなレンジで想定したいと思います。 吉田 恒 マネックス証券 チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長 ※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。
吉田 恒