停戦も選択肢?ゼレンスキー氏『勝利計画』“出口”の道筋は…前ウクライナ大使に聞く
■3年目の戦争 日本の“役割”は (Q.これまでのウクライナ支援で、日本はどのような役割を果たしてこれたでしょうか) 前駐ウクライナ大使 松田邦紀さん 「振り返ってみまして、日本の最大の役割は、侵略戦争の開始当初から、当時の岸田総理は『今日のウクライナは、明日の東アジアかもしれない』と言ったうえで、この戦争の本質を明確に全世界に提示された。すなわち、ウクライナから遠く離れた日本が、この戦争は単にヨーロッパの戦争ではないと、国際社会全体に関係することだと。だから日本は強力にウクライナ支援をすると同時に、対ロ制裁をすると明確にしたことで、この戦争の本質がしっかりと国際社会に提示されました。この外交的な日本の役割は極めて大きかったし、決して過小評価されてはならないと。そのうえで、具体的には、戦後復興を経験した日本、度重なる自然災害から立ち上がってきた日本が、復興のためのノウハウや経験も惜しみなく出しました。そのなかで出てきた日本の地雷除去、あるいはエネルギー支援・人道支援といったものは、日本が相当迅速に行ったことで、ウクライナの人からすると、遠く東アジアにあるにもかかわらず、日本という大変に力強い仲間がいるということが分かった。欧米諸国からすると、日本という仲間が一緒にウクライナ支援をしてくれてるということが分かった。そういう意味では、日本の最大の役割は、ウクライナ問題に関して、同志国・パートナー国の団結を作るにあたって大きな役割。それは去年1年間を通じて、G7の議長国としてリーダーシップをとったことに尽きるんだと思います」 (Q.グローバルサウスにも、そのことを理解してもらわなければいけない。その面でも日本の役割がありそうですね) 前駐ウクライナ大使 松田邦紀さん 「日本は、例えばアジア、それから中東、そしてアフリカ、ラテンアメリカ、様々な地域との間で、これまで以上に外交的な働き掛けを強めることができる余地があると思います。もちろん、この戦争に関して、まだその対応がフラフラしている中国のような、もう1つの常任理事国に対しての働きかけ、あるいは大国インド、ブラジル、南アフリカといった国々に対するさらなる取り組みが望まれると思います」
テレビ朝日