「月日貝を“日本の国民食”へ!」経営コンサルタントから漁師に転身 鹿児島の隠れた特産品をブランドに その思いに迫る
生態を研究。さらに、世界初の月日貝養殖技術の確立を目指す
ところで、月日貝はその生態がほとんど明らかになっていない。そこで、佐々さんは月日貝について研究しようと、漁協の若手漁師たちと会社を立ち上げた。 研究施設は、地元の水産会社の建物を借り、道具は自前でそろえた。 研究所の水槽をのぞいてみると、小さな点が浮かんでいる。漁でとった貝を一部持ち帰り、人工的に授精してふ化させた、月日貝の赤ちゃんだ。 佐々さんは、顕微鏡の画像を見せながら、「生まれて半月経たないぐらい。やっと貝っぽい形になってきた。」と説明してくれた。 透き通っていて、未成熟ではあるが、形がまん丸で真ん中がぷっくりと膨らんだ様子は、確かに貝の姿だ。 この施設で佐々さんは、月日貝の生態解明と、世界初となる養殖技術の確立を目指している。
月日貝のおいしさを発信する場をプロデュース 評判は上々
さらに、佐々さんは、月日貝のおいしさを発信する拠点として、「浜焼きBBQツキヒテラス」をプロデュースした。 海のきれいな景色を眺めながら、月日貝の浜焼きなどが楽しめる。 子ども連れで訪れた女性は「ホタテともまた違って、コリコリ具合がしっかりしていて、子どもも食べやすかったと思う」と話した。 また、別の女性は、「本当においしい。遠くから来たかいがあった。やっぱり味が違う」と喜んでいた。客からの評判は上々のようだ。
自分たちが見つけた技術で月日貝を日本の国民食に育てたい
鹿児島の月日貝は、ここ数年、徐々に全国にも出荷されるようになっている。 佐々さんは「鹿児島の月日貝をブランド認知してもらって、自分たちが見つけた養殖や種苗生産の技術を展開して、日本の国民食に育てていきたい」と、意気込んでいる。 月日貝が鹿児島を代表する特産品になる日は、そう遠くないのかもしれない。 (鹿児島テレビ)
鹿児島テレビ