ダル、上原ら興奮!?メジャー試合前、日本人が和楽器で米国歌を演奏へ
今やメジャーリーグを代表する守護神・上原浩治投手が所属するボストン・レッドソックスと、ダルビッシュ有投手が所属するテキサス・レンジャーズの試合が行われる4月9日、レッドソックス本拠地のフェンウェイ・パークで、試合開始に先立って日本人の和楽器演奏グループ8人がアメリカ国歌を演奏することになった。メジャーリーグの試合前に、日本人がアメリカ国歌を担うこと自体珍しいが、しかも奏でるのは三味線や太鼓、箏、尺八、篠笛、鳴り物といった日本伝統の楽器たち。懐かしい「和の音色」が、両チームで活躍する和製メジャーリーガーたちを奮い立たせるかもしれない。 このグループは「AUN J クラシック・オーケストラ」(あうん・じぇい・くらしっく・おーけすとら)。2008年に和楽器オーケストラとして結成。30歳~44歳の男性6人、女性2人で構成する。洋楽器と和楽器がコラボするケースは時折見られるが、純粋に和楽器のみのオーケストラは珍しいという。結成依頼、日本国内にとどまらず、海外でも積極的に演奏活動を行っている。 これまで国内では、伊勢神宮(三重県)で奉納演奏を行ったほか、吉野の蔵王堂(奈良県)といった文化遺産において演奏を披露。海外では、フランスの修道院モンサンミッシェル、イタリア・ローマ、サンマリノ、カンボジアのアンコールワットなど、世界遺産での演奏を中心に活動してきた。 和楽器の伝統的な良さは守りつつ、時にはロックのような盛り上がりをみせる演奏は人気が高く、世界的に高い評価を受けている。テレビでも「題名のない音楽会」(テレビ朝日)、「にほんごであそぼ」(NHK)などに出演。また、国内プロ野球の関連では、オリックスの岸田護投手のオリジナル登場曲を手がけている。 今回、メジャーリーグでの演奏が決まったのは、同オーケストラのプロデューサーが、レッドソックスの上原投手のマネジャーと知り合ったことがきっかけ。「サムライ同士、和楽器もメジャーの舞台で」と意気投合し、今回の演奏が実現したという。 同オーケストラの広報担当者は「長いメジャーリーグの歴史の中で、日本人選手とともに、日本伝統の和楽器がアメリカの大観衆の前にお披露目されるのは日本人として誇り。和楽器の演奏を通じ、本当の日本の良さを海外の人に知ってもらいたい」と話している。 (文責・坂本宗之祐)