韓国、ここ5年間の潜在成長率は2%ぎりぎり…米国より低い
生産人口が減り生産性改善が遅れているため
韓国の潜在成長率がここ5年間で0.4ポイント下がり、米国より低い水準の2.0%にとどまっていることが分かった。少子化で人口成長が急速に鈍化し、経済全般の生産性が次第に低くなったことによる。 20日、経済協力開発機構(OECD)の「主要国の潜在成長率集計資料」によると、OECDが推定した今年の韓国の潜在成長率は昨年と同じ2.0%。OECDの推定によれば、韓国の潜在成長率は2016年(2.8%)になり2%台に落ちた後、傾向的に下落を示している。特に昨年は1年で0.3ポイント下がり、1%台への進入が目前となっている。 潜在成長率は、物価上昇を誘発せず労働・資本などすべての生産要素を動員して達成できる最大成長率を意味する。潜在成長率が低くなるということは、経済の基礎体力が弱まっているという意味だ。 韓国の潜在成長率が急速に鈍化してきた原因としては、少子化による生産年齢人口(15~64歳)の減少が主な原因として挙げられてきた。韓国の生産年齢人口は着実に成長が鈍化してきたが、2019年(約3763万人)を頂点に急速に減少している。2022年現在(確定値基準)の生産年齢人口は約3674万人で、3年間で100万人近く減少した。韓国統計庁は、2030年にはこれよりさらに200万人余りが減ると予想している。 中小企業・サービス業など経済の随所で低い生産性が維持され、技術革新とこれを通じた新産業の成長などが遅れている点も潜在成長率の下落につながった。韓国政府は、革新エコシステムの強化、公正な機会保障、社会移動性の向上からなる3軸で構成された「躍動経済ロードマップ」を提示するなど、生産性向上政策に力を入れてはいるが、明確な効果は現れていない。潜在成長率が1%台に落ちる可能性が開かれているという意味だ。 韓国の潜在成長率は昨年初めて米国より低くなった。2022年には韓国が2.3%、米国が2.0%だったが、昨年には韓国は2.0%に落ち、米国は2.1%に上がった。韓国より規模がはるかに大きく成熟した米国経済よりも、韓国の潜在成長率の方が低いと推定されたわけだ。米国は継続的な移民者流入と情報技術(IT)企業を中心とした人工知能(AI)など新産業の成長が韓国と異なる点に挙げられる。 一方、日本は潜在成長率が2020年の0.6%から昨年0.4%に下がり、今年は0.3%でさらに0.1ポイント下落したとOECDは推定した。 チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )