パンにお酒、クレープまで。パン飲み天国「繁邦(恵比寿)」が見せる、朝と夜の異なる魅力
日本ならではの甘じょっぱさ。夜だけ楽しめる「繁邦トースト」
今度はレストランの時間へ。アルコールの種類も増え、ますます「パン飲み」がはかどります。シャンパンをペアリングした『繫邦トースト』は、やわらかシリーズのくるみパンを使ったシグニチャーディッシュ。青木さんがメニューを思いついたのは、なんと店の外で体を動かしていたときだったそう。「朝にランニングをしていたら、思いつきましたね。以前からパンをメインに作ろうとは考えていたのですが、突然降ってきました(笑)味の順番としては、最初に甘さが来て、後にしょっぱさがくる感じですね。すき焼きのような、日本特有の味付けにしています」「甘じょっぱくて美味しい…! ハチミツの柔らかい香りとパンの香ばしさも相まって、クセになりそうです」と絶賛するみとさん。焼いたくるみパンにのっているのは、発酵バターとアンチョビ。さらにペコリーノチーズとハチミツがかかり、黒コショウのピリッとした刺激も。それぞれの味わいが何層にも重なり合い、複雑な旨味がありつつ、どこか懐かしい雰囲気を感じます。こうした魅力的な料理は、どのように生まれるのか? 青木さんは、そのルーツに普遍的な味わいがあると話してくれました。「もともと日本料理が好きで、小料理屋みたいな居酒屋もとても好きなんです。創作料理なんですが、斬新すぎず、少し変わった組み合わせのものを考えています。“なじみ深くて、誰が食べても美味しいと思ってもらえる料理“を作りたいんです。あとは、“きれいすぎない”ことを意識しています。飽きないように、ある意味でのムラや雑味を残していますね」
夏を感じる「玉蜀黍(とうもろこし)のクロスティーニ」
最後は、季節限定の『玉蜀黍(とうもろこし)のクロスティーニ』を。とうもろこしの下には、水を切った木綿豆腐とマスカルポーネチーズを合わせたクリームや山椒のオイル漬けが。シャンパンだけでなく、白ワインにもよく合うそうです。「とうもろこしは甘くてみずみずしくて、クリームはさっぱり。やさしい味わいで、シャンパンとの相性もすごくいいです…! 」と食べる手が止まらないみとさんでした。