【レポート】2024年鈴鹿8耐は最終周まで白熱のバトルが展開!Team HRCが最多の220周で3連覇、SSTでは海外経験活きたTONEが2019年以来の勝利【EWC2024】
EWCクラスもSSTクラスも数秒差の争い、最終周まで表彰台争いが白熱
このままの状況でレースが終わると思われたが、劇的な展開が待ち受ける。最後のピットストップで給油が完了する前にスタッフがマシンに触れたことで、残り11分にTeam HRC with Japan Postに10秒のストップ&ゴーペナルティが科された。しかし、チームはそれを消化せずに同等の40秒加算ペナルティを受ける判断を下した。 しかし、この時点でTeam HRC with Japan PostとYART - YAMAHAの差は同一周回で50秒ほどの差しかない。また、YART - YAMAHAの方がペースは速かったが、47秒860差でフィニッシュ。ペナルティが科されたことにより優勝したTeam HRC with Japan PostとYART - YAMAHAの差はなんと7秒860差という結果となった。 これにより僅差でTeam HRC with Japan Postは3連覇を達成、ホンダとしては30勝、高橋巧は単独首位の6勝目、ヨハン・ザルコと名越哲平が初優勝を獲得した。また、YART - YAMAHAは鈴鹿8耐では結果が残っていなかったが、ようやく鈴鹿での初表彰台を獲得した。さらに、220周という最多周回数の記録もこの2チームが作った。 また、3位争いは最後のスティントまで続いていた。7時間28分まで3番手だったDUCATI Team KAGAYAMAをYoshimura SERT Motulの渥美心がオーバーテイクしてチームに表彰台をもたらした。渥美自身もヨシムラに帯同してからはリザーブライダーだったが、初の起用でEWCクラス初表彰台という嬉しい結果となった。初参戦のDUCATI Team KAGAYAMAは4位となったが、レースウイーク中最後までピットに残り作業を続けていた加賀山就臣監督の目にも涙があり、1年目の活動で大きな結果を残したことになる。 SSTクラスはTONE RT SYNCEDGE 4413 BMWが淡々とペースを維持して優勝。2019年以来の鈴鹿8耐の頂点に立った。2位争いは最後までバトルが続き、Taira Promote RacingをTeam Étoileの亀井雄大が最終ラップのホームストレートでオーバーテイクして2位を奪取。Taira Promote Racingが3位となった。 EXPクラスのTeam SUZUKI CN CHALLENGEはトップ10圏内を走り、総合8位でフィニッシュした。カーボンニュートラルを目指し、サステナブルアイテムを投入して初年度ながら目標の完走を果たしたことや、上位でもバトルできることをスズキは証明して見せた。 Kawasaki Webike Trickstarは午前のウォームアップ走行でグレゴリー・ルブランが転倒して欠場。クリスチャン・ガマリノとロマン・ラモスの2名で戦ったが、ラモスも暑さでダウン。ガマリノが1名でレースを進めていき、最後にはラモスも復活して走ったが、123周でチェッカーは受けた。しかし、規定周回数に足りず、未完走となってしまった。 また、決勝日翌日のレース後車検でNCXX RACING with RIDERS CLUB、Team TATARA aprilia、TERAMOTO@J-TRIP Racingの3チームに車両規定の違反が見つかり失格となった。要因は今年から鈴鹿8耐も他のラウンドと同じくEWC規定でのSSTクラスで開催されたためで、昨年と同様の国内ストック規則での仕様ではなくEWCのSST仕様にしなければならなかったためだ。故意の改造で、失格となったわけではない。 チャンピオンシップポイントではYART - YAMAHAが116ポイントでトップに立ち、Yoshimura SERT Motulが110ポイントで2番手、BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMが72ポイントで3番手となった。SSTクラスではNATIONAL MOTOS HONDA FMAが108ポイントで単独首位、Team Étoileは4番手で53ポイントと差は大きいが最終戦ボルドールは24時間レースということもあり、まだチャンピオンの可能性もある。 その第4戦ボルドール24時間は9月14~15日にフランスのポール・リカール・サーキットで開催され、両クラスのチャンピオンが決まる決戦となるため楽しみだ。
Webikeプラス編集部
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