朝稽古後に花道を引き揚げる照ノ富士

　大相撲の夏巡業が25日、神奈川・横須賀アリーナで最終日を迎え、7月の名古屋場所で10度目の優勝を果たした横綱照ノ富士（32＝伊勢ヶ浜）が現在の状態を明かした。 　夏巡業は4日から長野・佐久市で始まり、この日で終了。照ノ富士は23日の東京・大田区巡業から古傷の左ヒザ痛により取組を外れていた。この日の朝稽古も土俵下から見守るだけだったが、横綱土俵入りは披露した。 　自らのコンディションについて「（左ヒザは）大丈夫」としながらも「体重は（持病の）糖尿病の影響で10キロ以上やせている」と苦しい現状を説明。それでも「途中で相撲を取れなくなったけど、横綱土俵入りで夏巡業を盛り上げることができた。土俵入りを楽しみにしているファンの人も多いので良かった」と一人横綱の自覚をにじませた。 　先場所でかねて目標にしてきた2桁優勝を達成。「知り合いの方に2桁優勝を約束していたし、今まで約束したことは果たしてきたからこだわっていた。（師匠の）伊勢ヶ浜親方も（兄弟子の元横綱）日馬富士の優勝が9回で止まっていたから、自分に2桁を本気で目指してほしい思いがあると人づてに聞いていた。親方に恩返しができた」と改めて達成感を口にした。 　次の目標については「11回目（の優勝）。それしかなくない？」と即答。秋場所（9月8日初日、東京・両国国技館）での連覇に向けて、闘志を燃やしていた。