ECBナーゲル氏、金利スプレッド縮小は望ましくない効果も
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのナーゲル・ドイツ連邦銀行(中銀)総裁は16日、ECBがまとめた金融政策運営の新たな枠組みにおける金利スプレッドの縮小は、金融機関に望ましくないインセンティブを与える可能性があると指摘した。
同総裁は独コンスタンツでの会議で、主要リファイナンス金利と中銀預金金利のスプレッドを現在の50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)から15bpに狭めることは、「機会費用を削減し、市場からの資金調達を中央銀行へシフトさせるインセンティブを与え得る」と述べた。
その上で、「今後数年間、市場の動きがどのように変化するかを観察するに十分な時間があるのは良いことだ」とも語った。
ECBは3月中旬、1年3カ月に及ぶ枠組みの枠組み見直しの結果を発表。金利をコントロールする現行システムはほぼ維持される一方、事業運営に必要な流動性の量について市中銀行により多くの裁量を与える取りまとめとなった。
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原題:ECB’s Nagel Questions Incentives Offered by New Framework (抜粋)
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Mark Schroers