手塚理美「老けたと言われても気にならない」50代後半からのグレイヘアも人生の実験のひとつ
実際、グレイヘアを経験して手入れがラクになりましたし、髪も健やかになって、いいことづくめ。おしゃれの幅も広がりました。 でも、62歳になってちょっとグレイヘアにも飽きてきたので、少し色を入れてみたり、いろいろ冒険しているところです。「自分はこう」と決めないで、変化を楽しんでいければいいなと思っています。
■シワも人生の証「年を重ねることを楽しむ自分でいたい」 ── 自分の身に起こる変化を楽しみながら、「実験」としていろんなことに挑戦されるのはすごくポジティブで素敵な考え方ですね。
手塚さん:結局、楽しいこともつらいことも、自分のとらえ方次第。すべては自分自身が引き寄せている結果だと思うんです。人生には大変なことが降りかかるときもあるけれど、それとどう向き合っていくかが大事。つらいことがあっても自分を被害者だと思いすぎず、人生に必要なことだととらえ、それに打ち勝つにはどうしたらいいか考えていく。 ガーンと落ちるところまで落ちたら、はい上がるしかないので、どうせ中途半端に落ちるなら、いったん一番下まで落ちちゃったほうがいい、というのが私の考えです。起こることはすべて意味があると思って生きています。
── 日本は女性が年齢を重ねることをネガティブにとらえる傾向がありますが、どう感じていますか? 手塚さん:そういう部分はありますね。とくにいまはSNSが発達しているので、いろんな誹謗中傷も目に入ってきます。私がグレイヘアにしたときも、「老けた」だの「歳をとった」だの、いろいろなことを言う人がいましたが、みんな若いころの私と比べているんですよね。 年齢をとれば見た目が変わっていくのは当然なのに、なぜそこに戻るのだろうと不思議な気がします。歳を重ねるのは素敵なことだと思うし、シワも大切な私の人生の証なので、愛してあげたいですよね。
── おっしゃる通りだと思います。シワは人生の勲章だと、誇りたいですよね。 手塚さん:みんなあまり深く考えずに言葉を発しているから、それに振り回されて心が波立ってしまうと、しんどくなってしまう。真正面から受け止めないことも大事です。 いまは人生100年時代といわれているから、60代なんてまだまだ「ひよっこ」。還暦をひと区切りと考えると、60歳で、また1歳からのスタートだと思っているんです。だから、62歳の私はいま、2歳ですね(笑)。