尚志高サッカー部主将、大けがから復帰 千住みんなに恩返し 29日初戦「パスサッカーで必勝」 福島県郡山市
寒さが厳しいピッチの上に、福島県郡山市の尚志高サッカー部主将のFW千住澪央(3年)の声が響く。3カ月前に負った大けがから復帰し、28日に開幕する全国高校サッカー選手権に向けて練習に励んでいる。「全国の舞台で、みんなに恩返しがしたい」。強い覚悟で左腕にキャプテンマークを巻き付ける。 栃木県下野市出身。4歳上の兄の影響で、3歳から競技を始めた。2019年1月、さいたま市で行われた第97回全国高校選手権準決勝の尚志―青森山田戦を両親と現地で観戦した。染野唯月(J1東京V)らを擁した尚志は敗れたものの、見ていて楽しいパスサッカーに魅了された。「ここでサッカーがしたい」と決意した。 9月の高校生年代最高峰「高円宮杯JFAU―18プレミアリーグ」の流通経大柏高(千葉県)戦前半に、接触プレーで右足を骨折した。「選手権に間に合うのか」。頭が真っ白になった。 11月の全国高校選手権県大会は欠場し、ベンチで試合を見守った。仲間は円陣の度、「千住を全国に連れて行くぞ」と声を掛け合った。輪の外から眺め、復活に向けた厳しい練習の原動力になった。座ってできる腕の筋力トレーニングなどに愚直に向き合った。11月下旬のプレミアリーグホーム戦から復帰を遂げた。
みんながつかんでくれた全国切符を無駄にするわけにはいかない―。「最高の仲間」と表現するチームメイトと共に、悲願の全国制覇に挑む。 初戦は29日、さいたま市で行われる1回戦で3年ぶり23度目出場の東福岡(福岡)と戦う。「伝統のパスサッカーで相手を惑わし、必ず勝利をつかむ」と闘志をみなぎらせる。