全国の自治体で窓口手続きを効率化、7835件の規制改革で3.6兆円の経済効果を創出
三重県東員町では、従来、町民からの補助金交付手続きには、必ず所定の様式を用いた書面での申請が必要だったが、様式を必要とせずオンライン申請が可能となった。町民が町役場に出向く必要がなくなったほか、窓口対応業務が減ったため、職員の負担軽減の効果もあったという。 和歌山県和歌山市では、公用車利用の際、職員が書面による運転日報を提出する必要があったが、これもクラウドサービスを利用するようになり、事務負担が減り、印刷も不要になったため経費削減につながり、いつでも集計データを確認することができるなど、利便性が向上した。簡単なことのように思えるが、このためには要綱の改定が必要であり、現場職員が改善することはなかなか難しかったのだ。
■「フロッピーを使わなければならない」ルールも 『アナログ規制見直し』と言われているが、問題となったのはアナログだけではない。 『フロッピーディスクで提出』など、記録媒体を指定する規定も存在しており、今やあまり使われなくなったデジタル記録媒体を無理して使うような事態も発生していた。これでは『アナログ規制』ではなく、『古いデジタル規制』だ。 デジタル原則に適合した運用を行い、立案段階から、業務設計、情報システムの整備などにかかる検討が行われるように、各府省のプロジェクトについて、予算要求段階、執行段階という各フェーズでレビューが実施されるようになるという。
デジタル庁では、条文にアナログ規制が含まれていないかどうかを確認できる簡易チェッカーをウェブサイトで公開している。これにより、条文のチェックのスピード化が可能になった。 ■産後ケアの書類提出に市役所に行かずとも可能に デジタル庁によるアナログ規制の見直しでどういうことが起こったのか、実際に自治体の職員の方にビデオ会議でお話をうかがってみた。 答えてくださったのは、福岡県古賀市の子供家庭センターの大浦康志課長と、子育て支援係の吉武真宏係長。