「めんどくささ」を歌い続ける バンド・FINLANDS 「スピッツがルーツ」曲作りの思いに迫る
シャープな高音域の歌声で聴く人を魅了するロックシンガー。現在、2歳の子供を育てる塩入冬湖さん、33歳。塩入さんはロックバンド『FINLANDS』のボーカル・ギターとして、ライブハウスを中心に音楽活動をしています。また、バンド活動の傍らadieuさん(上白石萌歌さん)、Salyuさんらに楽曲提供もしています。そんな塩入さんのロックに触れたルーツや、“違和感”を大事にする曲作りなどに迫りました。 【動画】FINLANDS・塩入冬湖 弾き語り&インタビュー
ジャパニーズロックとギターを愛してやまない日本テレビアナウンサー・平松修造が、心揺さぶられたアーティストを直撃し、そのアーティストと“ROCK”との結びつきやルーツを探る「&〔アンド〕ROCK」。 第一回はロックバンド『FINLANDS』。2012年に塩入冬湖さん(Vo.Gt.)とコシミズカヨさん(Ba.Cho.)の2人で結成。現在は塩入さんのみでの活動で、サポートメンバーを迎えライブ活動を行っています。2024年には全国7都市でライブを開催、代表曲『HEAT』がTikTokで60万回以上再生されるなど、話題になっています。(レコード会社発表)
■メジャーデビューはファンの反応で実感
FINLANDSは、3月13日に新EP『新迷宮ep』をリリースし、結成12年でメジャーデビューを果たしました。FINLANDSらしいヒリヒリとしたロックサウンドとはかなく叙情的なバラードが共存している作品となっています。新作では今までにない表現と、自分の根底の人間性をまとめ上げることを目指したといいます。 ――メジャーデビューおめでとうございます。実感や心境はいかがですか? 今日からメジャーデビューだから何か変わります、っていう明確なものはないんですよね。ただ、ファンの方たちのお陰で一番実感させてもらっています。ライブの時に「メジャーデビューします」っていうのを「CD出します」くらいの気持ちで言うと、聞いたことのないようなおたけびが聞こえてきて(笑) 皆さんに気づかせてもらっていることがすごく多い気がします。 ――メジャーデビュー作はどんな思いで作りましたか? 「メジャーデビューするからって、別になにも変わらなくていいよ」と(スタッフに)言っていただくと、あまのじゃくなので“むしろ変わりたいな”って思って。今までは自分の目線でしか曲を書かないようにしていて、自分の一人称は“私”だけ。男性目線で曲を書くことを避けていたんです。 でも今になって、“僕”とか“俺”をうまく使いこなせるようになっていることに気づいて。自分の根底の人間性が出ていると思うんです。私、めんどくさいんですよ。「あなたのことが一番好きだよ」と言われても、「どうも。でも分かんないもんね」というような、何か一つのことに喜びきれないめんどくささがあって。それを改めて確認して、自分の中でまとめ上げた作品です。