「めんどくささ」を歌い続ける バンド・FINLANDS 「スピッツがルーツ」曲作りの思いに迫る
■「今、最新のものが一番カッコよくある」 FINLANDSをこれからも
――これからFINLANDSを聴く人に、“この曲聴いてほしい!”という曲を挙げるならどの曲になりますか? ライブでも盛り上がり喜んでもらえる曲でいうと『HEAT』という曲です。私が個人的に好きなのは『ガールフレンズ』です。必要以上に気を使ったり、気の利いたことを言おうとしたり、そういうことやらなくていいんじゃないかなって思える曲が『ガールフレンズ』で、自分を鼓舞するときによく聴きます。 ――最後に、FINLANDSとしての目標を教えてください。 70歳でも80歳でも、手足が健康に動くうちはバンドをやりたいと思っています。でもただやればいいってだけじゃなくて、自分の望むように、今、最新のものが一番カッコよくあるっていう状態を続けながら、そんな道を、都度諦めずに選んでいくのが私の目標ですね。
<編集後記>
FINLANDSの楽曲のリリックを見ると“事情を忘れた空の身体”(東京エレキテルの一節)や“週末の綺麗事の渦”(スペシャルウィークの一節)など、一つの名詞に対しての表現の仕方が独特だと以前から感じていました。その原点が“違和感”にあること、“じぶんごと”を歌い続けるからこそ、一度も聞いたことのない言葉の並びでありながらどこか人間らしい、いい意味での“生臭さ”を感じられるのではないかと思いました。 ある時のライブのMCでは「あなたが愛してくれたらそれだけでいい、そんなわけないでしょ?」ということをずっと歌ってきた、と塩入さんは話していました。それこそが、きれいに片付かない「本心を考え続ける」こと、「めんどくさいことを歌い続ける」、“FINLANDSらしさ”ではないかと話していたことに深い納得感を得ました。 ライブの生歌(もちろん音源も)は、ドラムのシンバルにも、エレキギターのオーバードライブにも負けない力強いひずみが宿り、圧倒的な存在感を放っています。これから更に大きな舞台でFINLANDSの楽曲が聴けること、パフォーマンスを目の当たりにできることが楽しみでなりません。 企画・取材:日本テレビ 平松修造