トランプ氏が早くも仕掛けた”関税戦争” “忠臣人事”が通商政策に及ぼす影響は?日本はいち早く貿易から直接投資にシフトへ【Bizスクエア】
――しかも、要因が貿易赤字だとか、不公正な貿易だとか、あるいは雇用を奪っているとか経済とか通商問題ならともかく、今回は不法移民と麻薬で来た。 第一生命経済研究所 首席エコノミスト 熊野 英生氏: 口実は何でもいいので、相手に圧力・パワハラをして、相手から交渉材料をうまく引き出すということだろう。 ――不法移民対策は、当たり前だがトランプ氏の重要政策なので、これでメキシコやカナダが何かやってくれれば、まず成果があったと言えるという、政治的な思惑が透けて見える。その意味では、まず25%の関税をぶちかますというふっかけみたいなものだと考えられるかもしれない。 第一生命経済研究所 首席エコノミスト 熊野 英生氏: ただこれやはり日本にも火の粉が飛んできいて、メキシコ・カナダは自由貿易を前提にして日本の自動車メーカーが大量に進出しているとか、中国も実は同じような構図で、自動車ではないが、繊維とか、いろいろな日本企業が進出して、アメリカへ輸出しているというダメージもある。 ――日本の自動車メーカーはどれくらいメキシコに今出ているかというと287社も関連企業が出ていて、日系4社(トヨタ・日産・ホンダ・マツダ)がメキシコで完成車を作っていて、70万台もアメリカに入れている。仮にこれ25%(関税が)かかったら、このビジネスモデルは崩れてしまう。ただ、アメリカの「ビッグ3」はもっとメキシコで作って、アメリカに入れている。だからビッグ3の株価は急落している。アメリカ経済への打撃がまずあるのでは。 第一生命経済研究所 首席エコノミスト 熊野 英生氏: トランプ政策のプラスの部分と、今のようなマイナスの部分があるが、次第にマイナスの部分がだんだん強くリアリティを持って意識されている。特にこういうことをやると、誰がここのコストを払うのかというと、トランプ政権ではなくて、アメリカの消費者が、割高の自動車、他の中国製品を買わないといけないということで、アメリカ人にマイナスの影響がある。