見たことない“進化系せんべい”「ゆのせん(梅月堂)」って? 100年以上愛される銘菓から生まれたお菓子を実食レポ!
見たことない“進化系せんべい”「ゆのせん(梅月堂)」って? 100年以上愛される銘菓から生まれたお菓子を実食レポ!
“せんべい”というと、醤油や塩味が多いもの。そんな中、ミントやコーヒー、ウィスキーを使った進化系のせんべいが誕生! ? 大正10年創業の老舗和菓子店梅月堂が作る、新たなお菓子『ゆのせん』を紹介します。
『ゆのせん』のテーマは「バター不使用のラングドシャ」
10月から発売された焼き菓子『ゆのせん』。小麦粉や山椒を使った鹿児島銘菓・湯之元せんべいの技術を使って作られており、テーマは「ノー・バター・ラングドシャ(バター不使用・薄くて軽い食感のクッキー)」なのだそう。味はチョコミント・珈琲ヴァニラ・山椒の3種。作っているのは、メディアでも人気のオトナのどら焼き『ラムドラ』を手掛ける梅月堂です。
生のミントに、ラム酒まで! 意外な素材の組み合わせ
ゆのせん「チョコミント」ゆのせん「チョコミント」は、国産のフレッシュミントと、世界各国のパティシエや料理人に愛されるチョコレートメーカー・ヴァローナ社のチョコレートを使ったひと品。小さなブラックチョコレートが浮かぶほんのり緑色のゆのせんは、せんべいともラングドシャとも異なる新たなビジュアル。梅月堂四代目代表の石原良さんは、「一般的なラングドシャと違ってバターを使っておらず、ミントの爽快感をストレートに感じられます」と話します。「農家さんからゆずってもらった生のスペアミントの葉を細かくカットし、生地に対して約10%、たっぷりと加えました。チョコレートは、1粒ずつピンセットでのせています。さらにマダガスカル産のヴァニラビーンズを入れて味に奥行を、隠し味にラム酒(ジャマイカの老舗ラム酒ブランド・マイヤーズのダークラム)を使って華やかさを加えました」やさしい甘さの生地とさわやかなミント、上品な苦みのチョコレートのバランスが絶妙。ラム酒の高級感ある風味がほのかに広がり、すっきりとした風味のなかに優雅な雰囲気も感じられます。一見せんべいと遠い素材に思えるミントやチョコレートが、ここまで合うとは驚きです。ゆのせん「珈琲ヴァニラ」きつね色の見た目に食欲をそそられる、ゆのせん「珈琲ヴァニラ」。表面の黒い粒はヴァニラビーンズで、プチっとした食感がアクセントに。「ヴァニラエッセンスでも試行錯誤しましたが、ゆのせんに使う場合、甘さや強めの香りが前に出すぎてしまい、いまひとつ全体がまとまりませんでした。しかし、ヴァニラビーンズを使うことで、噛んだ瞬間にヴァニラがふわりと香って全体がうまく調和するようになりました。隠し味に加えているのは“ジョニ黒”(世界最大手のスコッチウィスキーブランド・ジョニーウォーカーのブラックラベル)です。コーヒーのビターさ、ヴァニラビーンズの甘くかぐわしい感覚、ウィスキーのコクとスモーキーなフレーバー…と余韻が続くようになっています」サクッと、パリッとした生地から、華やかなコーヒーの香りが。ビターなのにどこかやさしい、深い甘みを感じます。まったりとしたうまみも漂い、薄い生地から想像以上の広がりが。