滋賀・タヌキの里にネコ?「マイキー・トレイン」快走中
滋賀県を走る信楽高原鐵道。その名の通り「タヌキの置物」で有名な信楽を走る第三セクター鉄道だ。ここに、何ともかわいらしいネコのラッピング列車が走っており話題を呼んでいる。しかし信楽なのに、なぜネコなのだろう?ちょっと車内をのぞいてみた。
陶芸作家リサ・ラーソン展に合わせてラッピング
緑豊かな山間を走る、信楽高原鐵道。JR草津線の貴生川駅から出た列車は、終点の信楽駅へ向かって、文字通り高原を駆けあがる。路線長14.7キロ、片道24分の「小旅行」だ。 車両は全部で4両あり、それぞれの車体には様々なテイストのタヌキが描かれている中、「SKR301号」が、ピンク色のボディに大きなネコのラッピングとなって期間限定で走っている。このネコのイラスト、見たことのある方も多いのではないだろか。 これは、スウェーデンの作家「リサ・ラーソン」氏の絵本に出てくる人気キャラクター、マイキー。現在、信楽高原鐵道の沿線にある、滋賀県立陶芸の森 陶芸館で「北欧スウェーデンの動物のやきもの リサ・ラーソン展」が行われており、これに合わせてラッピングされているのだ。 この展覧会は全国を巡回しており、同氏が陶芸作家ということで当地での開催が実現したもの。そしてマイキーがラッピングされるのは全国初だ。車体いっぱいにマイキーが描かれ、その姿はインパクト抜群で、緑の中を走る姿はとても絵になる。
外観も車内も「マイキー」づくし!
この「マイキー・トレイン」、すごいのは外観だけではない。車内に入るとドアの横にはオブジェがお出迎え。座席や吊り革にも、マイキーや様々なキャラクターがデザインされている。この車両に乗るために遠方から来るファンも多いとのことで、そんな人たちを裏切らない、なんとも楽しい車両である。ラッピングは「リサ・ラーソン展」の会期に合わせた6月上旬までの予定なので、今のうちにぜひ訪れておきたい。 さらに、信楽高原鐵道では「マイキー・トレイン」の運行に合わせて、同鐵道の1日フリー乗車券と「リサ・ラーソン展」の割引鑑賞券が1枚になった共通チケット「レール&ミュージアム」を販売中。マイキーを形どったかわいらしい切符で、記念品にもぴったりだ。 ちなみに、ゴールデンウィークには「春のしがらき駅前陶器市」も開催。信楽焼というとタヌキの置物というイメージが強いが、もちろん普段使いできる食器から様々な小物まで揃っていて、期間中は様々な窯元の陶器がお安く買える。 今年のゴールデンウィーク「マイキー・トレイン」を使ってのんびり陶芸を楽しむのはいかが? (文/伊原薫/鉄道ライター) ■伊原薫(いはら・かおる)大阪府生まれ。京都大学大学院・都市交通政策技術者。(一社)交通環境整備ネットワーク会員。グッズ制作やイベント企画から物書き・監修などに取り組む。都市交通政策や鉄道と地域の活性化にも携わっている。好きなものは103系、キハ30、和田岬線、北千住駅の発車メロディ。