東京では「中学受験」が一般的なんですか?周りのママ友が受験させるというのですが、私立中学の学費はどのくらいでしょうか?
周りの家庭が中学受験をすると聞くと、自分の子どもだけが取り残されてしまうのではないかと、心配になる保護者の方は多いでしょう。一方で、私立中学校の学費がネックになって、受験に踏み切れない家庭もあるのではないでしょうか。 東京都に住んでいる場合、私立中学校を受験する小学生は多いのでしょうか。また、私立中学校に進学すると、3年間で学費やそのほかの教育費は、どれくらい必要なのでしょうか。教育委員会や東京都が公表しているデータをもとに解説します。
東京都内の公立小学校から私立中学校への進学者は約2割
東京都教育委員会が発表した「令和5年度 公立学校統計調査報告書」によると、令和4年度の都内公立小学校卒業者9万8518人のうち、都内の私立中学校への進学者は1万9521人でした。割合にして、およそ2割です。中学受験をした人数はもっと多い可能性がありますが、進学率だけを見ると、一般的とまではいえない数字でしょう。 ただし、私立中学校への進学率には大きな地域差があり、東京23区:約25%、市部:約10%、郡部:約3%、島部:約1%となっています。また23区内でも、最も私立中学校進学率が高い文京区では、約半数が私立中学校に進学しているなど、住んでいる場所によっては「中学受験が一般的」といっても差し支えない状況です。
東京都の私立中学校3年間でかかる学費の目安と内訳
東京都で私立中学校に進学すると、3年間の学費はどれくらいかかるのでしょうか。 東京都が発表した「令和5年度 都内私立中学校の学費の状況」によると、都内の私立中学校の初年度納付金は、平均98万9125円です。内訳を、表1にまとめました。 【表1】
※東京都「令和5年度 都内私立中学校の学費の状況」をもとに筆者作成 表1の費目のうち、授業料とその他は、2年生や3年生でもかかる費用です。初年度納付金の平均額に、授業料とその他の合計額×2年分を合算すると、3年間トータルでは、約240万円の学費がかかる計算となります。 なお、この数字は平均額であり、東京都の私立中学校の中には、初年度納付金だけで190万円を超えている学校もあります。進学する学校によって、実際にかかる費用は大きく増減することを念頭に置いておきましょう。