10-FEETの2024年を占う? 本邦初のNAOKI&KOUICHIインタビュー
2024年、バンドの運命はこの2人にかかっているのではないか……。突然ですがそんな仮説をもとに、TAKUMA(ヴォーカル&ギター)をあえて外すという、いつもとは異なる本邦初の形式で行うことになった今回のインタビュー。「第ゼロ感」のヒットによってバンドをとりまく状況が一変した2023年を踏まえ、彼らはこの1年をどう見据えているのかを語ってもらいました。
4月には京都みやこめっせ、そして5月には横浜アリーナでバンド史上初となる屋内アリーナ規模のワンマンライヴの開催も決まった今、TAKUMA不在だからこそNAOKI(ベース&ヴォーカル)とKOUICHI(ドラム&コーラス)が語れる話……になったかどうかは本稿を読んでいただくとして、紅白やバラエティ番組に出るような存在になっても、どんなに大きなステージに立つバンドになっても、ライヴハウスという軸足からブレないバンドであることがわかるインタビューになりました。あと、3人の関係性もたぶんきっとこのまま。横アリのステージで3人がイチャつく姿を楽しみにしてます。
純烈のメンバーさんから「紅白史上、一番私服やな」って言われました
ーーもしかして……紅白に出てた人たちですか?(笑)。 NAOKI「いちおう現場にはいましたね(笑)」 KOUICHI「テレビに映ってました(笑)」 ーーどうでしたか現場の雰囲気は。 KOUICHI「芸能人だらけで俺らは浮いてました」 NAOKI「MAN WITH A MISSION以外、知り合いがいない(笑)」 ーーでもマンウィズと比べたら10-FEETは人間なのでマシだったんじゃ? NAOKI「そうですね(笑)。でも当日の出演者全体で、ロンTを着てたのはたぶん僕とKOUICHIだけでした(笑)」 ーーははははは! NAOKI「TAKUMAはシャツっぽいの羽織ってたから」 KOUICHI「僕は純烈のメンバーさんから『紅白史上、一番私服やな』って言われました(笑)」 NAOKI「で、僕は『ネックレスつけてるぶん、まだマシだ』って言われました(笑)」 ーー確かにロンTで紅白は見たことないかもしれない。 KOUICHI「みなさんばっちり衣装で固めてましたからね」 ーー10-FEETは衣装を用意しなかった? NAOKI「僕らは自前の服ですよ」 KOUICHI「スタッフから『衣装どうします?』って提案はあったんですけど『自前で出ます』って(笑)」 NAOKI「そのほうが、自分らっぽいかなと思いまして」 ーー今年に入ってからはTAKUMAくんがバラエティ番組に出たり、10-FEETがどんどんお茶の間に進出し始めてますが、自分ら的にはどうなんですか? KOUICHI「たまに出るぐらいならいいんじゃないかなって思いますけどね。しょっちゅう出まくったりしなければ。今までも地上波じゃないけどテレビにはちょこちょこ出てたし」 NAOKI「バンドマンが集まる番組とかはね。でも芸能っていうところは、ほぼないに近かったので」 ーー今後はバラエティでも声がかかると思いますよ。ライヴのMCもめっちゃ面白いバンドだし(笑)。 KOUICHI「いやいやいや」 NAOKI「あれは会場にいるお客さんが僕らの味方だからですよ(笑)」 KOUICHI「あれは会場マジックですよ」 NAOKI「当たり前やけど、僕らのステージって演奏がメインじゃないですか。その上でたまに緩い感じで喋ったりするから成立するけど、トークがメインになると緊張しちゃってたぶんダメですね(笑)」 ーーじゃあ紅白に出ても、バンド活動の方針は今までと変わらず? KOUICHI「スタンス的にはあんまり変わらないと思いますよ」 NAOKI「もともと軸がライヴハウスとかフェスにあるっていうのは同じですね」 ーーバンドの環境的にはものすごい変化があった1年だったはずで、その中で変わったこともあれば変わらないこともあったと思うんです。例えばこの1年でTAKUMAくんの変わったところとか、今までとは違ったりしたところはありました? NAOKI「変わらないんじゃないですかね。映画の公開前と比べたらいろんな人に知ってもらえてる実感はありますけど、だからこそ『変な調子の乗り方はしないでおこうな』っていう会話はたまにスタジオに入ってる時にしたり」 KOUICHI「今こういう状況やからこそ、な?」 NAOKI「そうそう。変に変わらんように、っていうのは共通認識としてあって。だから特に変化はないと思います」 ーーじゃあ関係性はどうですか? そこも変わらず? KOUICHI「そんなに」 NAOKI「相変わらず良い時もあれば悪い時もあるので、それはもうずっと」 ーー悪い時も相変わらずあるんだ。 KOUICHI「あえてそこもブレずにやらせてもらってます(笑)」 ーー逆にプレッシャーを感じるところはあるかもしれないですよね。 KOUICHI「TAKUMAは感じてるかもしれないですね。作曲する立場としてのプレッシャーみたいなものは。でもドラマ『フェルマーの料理』で〈Re方程式〉もリリースしたことで、今、そしてこの先ウチらがどういう音楽を周りから求められていくのかみたいなことは、たぶんすごく考えてると思いますけどね」 ーーまさに「Re方程式」はプレッシャーを感じる中での制作だったのでは? KOUICHI「俺らはそんなアレやったよな。いつも通りに作ってたよな?」 NAOKI「あと、いい意味であの時は時間がなかったんですね」 KOUICHI「そうやな。締切も近くて」 ーー時間がなくてプレッシャーを感じてる場合じゃなかったと。 NAOKI「時間がなかったぶん、むしろスムーズに進められたっていうのはあるかもしれない。いつも曲作りの時って、両極端なんですけど、わりとスムーズに行く時と、めっちゃ行き詰まりになる時があって。曲によっては全然進まない時があるんですね。で、そういう時って必ずメンバー全員が納得いってないんですよ」 ーー曲の出来に? NAOKI「出来っていうか、自分たちのアレンジとか。でも今回は3人とも〈これめっちゃいいやん〉ってなるのが早かった気がします」 KOUICHI「そうやな」 NAOKI「誰かが〈うーん……〉ってなってることもなくて」 ーー「第ゼロ感」以降、初めて出すシングルがスムーズにできたのは、めちゃめちゃ幸先のいい出来事なんじゃないですか? NAOKI「……そういえばそうですね」 KOUICHI「ほんまっすね」 ーーそこでもし「うーん」ってなってたら、それこそプレッシャーを感じてたんじゃないかと。 NAOKI「いやぁ……ホンマそうですね。よくよく考えたら〈第ゼロ感〉のあとに出す初めてのシングルっていうの、忘れてました(笑)」 ーーあははははは! NAOKI「それぐらいみんな〈Re方程式〉に全集中っていう感じやったので」