元暴走族の父が「あと20万は俺が出す」ぼる塾・あんり 距離があった親子関係が変わった意外な「言葉」
兄弟のなかで父と一番距離があったと語る、ぼる塾のあんりさん。しかし、ある時、父が語った言葉で親子関係が変化していきます。(全5回中の2回) 【画像】「強面ですね」元暴走族だったというお父さんと入学式での一枚「シャツもネクタイも黄色!」(全12枚)
■家族で大きな公園に行くはずが ── お父さんは元暴走族、お母さんは元レディースだったそうですね。あんりさんから見て、お父さんはどんな方でしたか? あんりさん:曲がったことが嫌いで、誰に対しても礼儀や義理人情をすごく重んじる人ですね。子どもの頃、(ぼる塾の)はるちゃんが家に遊びにきた時は「挨拶は?」と言って「お邪魔します」ときちんと言わせていたし、もちろん自分にもそう。「おはよう」「おやすみ」を言わないで自分の部屋に戻ろうとすると「おい、挨拶しろ」って挨拶だけはめっちゃ言われました。
── 元暴走族だったと聞くと、迫力もおありなのかな…と思ってしまうのですが、いかがですか? あんりさん:父は身長182センチで当時は体重も100キロあったから、めちゃくちゃデカかったんですよね。それに、何かあったら注意してくるので、注意してくる人っていうイメージもあって少しビビってました。 あと、こだわりが強いんです。私は5人兄弟の3番目で上に兄が2人、下に弟と妹がいます。まだ弟と妹が生まれる前ですが、当時、父が「ピコ」というブランドの白いニット帽が好きだったんです。それで、なぜかわからないけど、子どもたちの誰かがピコのニット帽を被ってないとダメでして。
ある日曜日、父と兄弟3人で公園に行くことになっていて、いざ出掛けようとしたらピコの帽子がないんです。いつも誰かが被っていたはずなのに、誰が最後に被っていたのかわからない。子どもたちも「ヤバい!」と察して探しますが見つからなくて、父もイライラし始めているし、「ないないないない…!」って血眼になってさらに探しても、やっぱり見つからないんです。父もしびれをきらして「もう行かねえぞ!」って言いましたが、子どもたちは楽しみにしていたんですよ。車で大きい公園に連れて行ってもらって、そこで一輪車なりキックボードに乗ろうって前の日から楽しみにしていたんです。「なんで一個のものも大事にできないんだよ!」と結構怒られて、3人とも泣きべそかきながら結局、車に乗りました。