「なんで私だけ…」高校中退したぼる塾・あんり 充実した小・中学から一転「学校に行くのが怖かった」
高校1年生の終わりに退学したぼる塾のあんりさん。小・中学校では楽しい生活を送っていたのに、高校に入ると世界が一変したと言います。(全5回中の1回) 【画像】「雰囲気だいぶ変わりましたね」ぼる塾で一緒に活動する同級生のはるかさんとの小学校時代の写真(全12枚)
■とにかく苦しいんだ高校時代 ── 小・中学校時代は楽しく生活を送っていたそうですが、高校1年生の終わりに中退されたとのこと。経緯を伺ってもいいですか? あんりさん:私は少しヤンチャな兄が2人いて、小・中学生の頃は、その兄の妹ということで周りが自然と話しかけてくれたんですね。
でも、高校生になると誰も私を知らないわけです。イチから人間関係をスタートしないといけないですが、どうやって友達を作っていいのかわからない。みんなは小、中学生の頃に自分で友達を作ってきた経験があるけど、私はずっと兄の妹という立場で誰かが話しかけてくれたり、人が作った関係に乗っかったりすることしかしてこなかったから、自分でどうしたらいいのかわからなかったんです。周りはどんどん友達ができていくなかで、自分だけ取り残されていった感じで。「あれ?気づいたらいつもひとりでいる。わ、どうしよ、どうしよ」って焦るばかりでした。
そうなると、お昼ご飯を食べるのもツラいんです。家では大家族(祖父母と両親、兄弟5人の計9人家族)でにぎやかに食べていましたが、ひとりで食べるってこんなにしんどいのか。目線はどこにしたらいいんだろう。周りはワイワイ楽しそうに喋ってるけど、私はひとりで寂しいやつって思われてるんじゃないか。本当に寂しいからそこが気になってくるんですけど。ひとりが好きなわけじゃないのに、学校ではずっとひとりで過ごしていて、どんどん気持ちが引きこもってきて。
── それはツラかったですね…。 あんりさん:よく覚えているのは、高校1年の夏休み前に、同じ中学だった女の子を高校の廊下で見つけ「あ…っ!」ってなったんです。その子は高校ではクラスが違いましたが、私からしたら救いじゃないですか。友達がいたって。でも、その子は既に新しい友達と一緒にいて、私がパッと見たときに、私の勘違いだったかもしれないですけど、目を逸らされたような気がしたんです。 その次の日から学校に行くのがさらに怖くなってしまいました。唯一の光だと思ったものがそうじゃなかった。それからは、とにかく学校に行きたくない。朝はいちおう制服を着てみるけど苦しくなる。高校まで電車とバスを乗り継いで行きますが、電車には乗れたけどバスは途中で降りてしまう。何日かは学校に行くフリをしていたものの、次第に行くフリもしなくなって部屋から出なくなりました。