2030年に保有全車のZEV化を目指すMKタクシーに新車種追加! 9車種目のZEVはコレだ!
MK全体ではすでに184台ものZEVを保有
「MKタクシー」の愛称で知られる京都に本社を構えるタクシー会社大手のエムケイ(以下、MK)は、国が進める二酸化炭素排出ゼロに向けた取り組みとして、積極的に自社のタクシー・ハイヤーの全車ZEV(ゼロエミッション・ビークル)化を進めている企業だ。 【画像】MKタクシーのメルセデス・ベンツEQEのリヤシートの画像を見る 2024年3月には、京都でエネオスホールディングスとアメリカのample社と共同でバッテリー交換式ステーションを開設し、バッテリー交換用に改造された日産リーフを用いて実証実験を開始するなど、環境対策への取り組みはZEV車両の導入だけに留まらない。 2024年5月末時点でMKグループ全体のタクシー・ハイヤー保有台数は842台。そのうちZEV車両は184台で全体の約22%に達する。 すでにMKグループ全体では、2022年2月をもってLPガスを燃料としたタクシー専用車の運行を終了しており、現在はハイブリッド車と低燃費ガソリン車、それにZEVで構成している。保有するZEVのメーカーと車種は、日産のリーフ、サクラ、アリア、ヒョンデのアイオニック5とコナ、BMWのi7とiX、それにトヨタのクラウンセダンFCEVの計8車種だ。 MKグループは、2030年までに保有するタクシーとハイヤーの全車ZEV化を目標として掲げている。そこまでの中間目標として、2025年に保有車両のZEV率を30%まで引き上げようとしている。すでに約22%までZEV化が進んでいるので、あながち無理な数字ではないように思える一方で、車種ラインアップを拡充しながらZEV率を向上させているのは興味深い動きだ。 LPガスないしはガソリンエンジン車が全盛であった頃のタクシー業界は、タクシー専用車だったこともありトヨタのクラウンコンフォートとクラウンセダン、日産のセドリック、クルーに集約され、バリエーションの乏しさを感じたものだ。しかし、ここにきてタクシー各社がZEV化に向けさまざまな車種を手探り的に運用を始めたことで、結果的にバリエーション豊かなタクシーが路上を走り始めていることは、クルマ趣味的な目線で言えば「今日はどんなタクシーに乗れるのかな?」というおもしろ味が生まれてきて好ましい傾向だ。