急造2トップで3得点 都立保谷が6-0で都立多摩科学技術を退け、2次予選進出へ
第103回全国高校サッカー選手権東京予選の1次予選ブロック決勝が9月16日に都内の2会場で行われた。駒沢補助競技場での第1試合では都立保谷と都立多摩科学技術が対戦。保谷が6-0で完勝し2次予選進出を決めた。 【フォトギャラリー】都立保谷vs 都立多摩科学技術 保谷は前半11分、スローインの流れからFW22 森久保奏和(1年)が決め、主導権を握ると、31分には後方からのクロスにFW21田中歩夢(2年)が183センチの長身をいかして頭で合わせ追加点。 後半に入った13分、相手のオウンゴールで3点目。攻撃の手を緩めない保谷は後半29分、MF11高橋凱(3年)がミドルシュートを叩きこむと32分、FW21田中がこの試合2点目。37分には、MF7徳田茉浩(3年)の左サイドからクロスにDF13金親昊(3年)が押し込み、6得点を挙げ決着した。 保谷の4-4-2の2トップFW21田中(2年)、FW22森久保(1年)は6点中3点を挙げたが、ゴールだけが役割ではない。前線からプレスをかけ、押し出して生まれたスペースを中盤の4人が縦横無尽に動き回る、その一助となった。試合を見る限り、慣れた感じではあったが、実は今回、初めて組んだとのこと。大山将俉監督によれば、起用したかった選手がケガによる欠場のため、急遽、起用した、いわば急造コンビ。「前半はチグハグしていました」と大山監督が指摘したように「うまくいかなかった」と感じた2人はハーフタイムで互いの距離感について意見交換を行い、修正、改善。後半の追加点につながるプレーを見せた。
そのなか、プレーで目を引いたのはボランチで起用されたMF7徳田。「身体能力が高い選手」と大山監督が評するように豊富な運動量とセットプレーでキッカーを任される高いテクニックをベースに目端の利いたプレーで、攻守にけん引。守勢の多摩科学技術に対し、MF7徳田は「ビルドアップのときは、サイドに展開させるプレーを心がけました。後半は一度、ボールをFWに入れて、もう1回、ボールを受けるプレーを意識しました」と自身のプレーを振り返った。またMF7徳田はチームの支え役だけでなく、隙あらば、果敢にシュートを放つなど攻撃性が表現されていた。 一方、敗れた多摩科学技術。前半早々、失点したものの、人数をかけた守備でチャンスをうかがった。その好機が訪れたのが前半21分。CKの流れからゴール前の混戦。同点のチャンスはあったものの、相手の決死のクリアで得点ならず。このタイミングで同点に追いついたら、ゲームの流れは多少変わっていたかもしれない。それでも前半を2失点で折り返した多摩科学技術だったが、3失点目となったオウンゴールが試合を決したと言える。 (文・写真=佐藤亮太)