スカパーJSAT、「圏外のない社会」へ本格始動 衛星活用の「NTN」実現へ
スカパーJSATは、いつでも、どこでもつながる、非地上系ネットワーク「Universal NTN」(NTN:Non-Terrestrial Network)の実現に向けた技術試験を11月から開始し、事業化への活動を本格始動する。 【この記事に関する別の画像を見る】 「Universal NTN」は、赤道上空約36,000kmの静止軌道(GEO)衛星、より地球に近い非静止軌道(non-GEO)衛星、高度20kmの成層圏を無人で飛行する高高度プラットフォーム(HAPS)など、非地上系の通信インフラを組み合わせた多層的なネットワーク。これにより、海洋や山岳地帯など、地上系ネットワークではカバーが難しいエリアや、自然災害時でも、確実な通信手段として活用できるようにする。時間や場所を問わず、適切な容量・速度で通信できる「圏外のない社会」を目指すという。 スカパーJSATは、アジア最大の衛星通信事業者として、NTNの構築・実現に貢献するため、2022年4月に、携帯電話など移動体の通信規格・技術仕様を策定するプロジェクト「3GPP」へ正式参画。標準化会合では、非地上系ネットワークと地上系ネットワークのシームレスな連携や、NTNのマルチオービット・マルチオペレータに関するユースケースや要求条件のほか、スカパーJSATが商用利用しているKuバンドと呼ばれる周波数帯を5G NTN対応バンドとする取り組みなど、「Universal NTN」のコンセプト実現に向けた提案を行なっている。これらの技術の実用化を目指し、11月から試験を開始する。
Impress Watch,臼田勤哉