ついにメジャーへ! ライブパフォーマンスが拡散され物議……の大森靖子って?
「メジャーでは人の“壁”を壊す作業をやりたい」
──大森さんの曲は歌詞すごく印象的です。どんな感じで言葉が出てくるんですか? 大森 わいてきますね。言葉って誰でもわいてくると思うんですけど、これメジャーだから使っちゃダメ、これは商標登録されているからダメ、これは言ったら恥ずかしいことだからダメ、これはダサい、とか考えちゃうんですよね。そんなのを全部考えずに言ってみる。怒られたらやめるっていうか。 美大の受験で、この素材を使ってこういうデッサンにしなさいっていう謎解きみたいな問題が出されるんですけど、そのときに通っていた予備校みたいなところのスパルタな先生に「本当にやりたいことがあったら、係の人に聞いたら“ダメ”って言われるから、聞かずにやれ」って。鉛筆で描けって言われてボールペンで描いてても、違反してるから受からないじゃなく、すげえうまかったら受かるじゃないですか。だからとりあえずどうしてもやりたいことはやってやろうと。怒られても、最近はまあ、会社の人が謝ってくれるし(笑) 自由に楽しく! 私、“自由”って言葉が好きすぎて。自由にやって、って言われても、けっこうみんな何もできないじゃないですか。でも“私できる”と思って。何でもやっていいってサイコー。 でも、ほんとはみんなできるんですよ。学校の教育システムがしちゃいけないようにしてるんです。そういうのが嫌。限界とか、制限とか、“壁を壊す”作業がとにかくメジャーでやりたいです。“もっとやっていいよ”みたいな。絶対、面白いもん作れる人がもっといるんですよ。みんなおかしいんだから隠さずにおかしくなって楽しもうっていう。誰かがやってたら「あれぐらいやっていいんだ」ってなるじゃないですか。今はクリエイターに本当にかわいそうな時代で、何やっても“これのパクリだ”とか言われるし、すごいちっちゃい規模でもすぐサーチされてネットで言われる。クリエイターって繊細だから、それですぐ落ち込んじゃって怖くて作るのをやめてしまう。そういう人をけっこう見てるので。 私も誰々に似てるって、めちゃくちゃ言われますよ。でも、あ、そうなんだぐらいで。それよりもレコード会社が一個売れるとそれと同じものを作って売ろうとしていろんな女の子の才能を無駄にしていくっていうのを何個もみていて、むかつくなと思って、そっちですね。